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日本にとっては悪夢…パリ協定離脱&カタール断交で見えたアメリカの“影響力減退”後の世界

[2017年07月05日]

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トランプ大統領によって、アメリカの外交がシロウト化してしまったと語るモーリー氏

『週刊プレイボーイ』本誌で「モーリー・ロバートソンの挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソン

これまでアメリカが良くも悪くも果たしてきた“役割”を、丸ごと放棄しようとしているトランプ政権。その行きつく先は、日本にとっては悪夢のような「多極化した世界」だった―!!

* * *

■米外交を壊したシロウト大統領

アメリカが長年かけてつくり上げてきた、自国を軸としたデリケートな世界秩序を突然放り投げ、一斉に手を引いてしまったらどうなるかーー。就任以来、トランプ大統領はそんな危ない“実験”を続けていますが、どうやら結論は「一度壊れた世界は、もう元には戻らない」ということになりそうです。

例えば6月1日、トランプ大統領は国際的な地球温暖化対策の枠組みである「パリ協定」からアメリカが離脱すると表明しました。そもそもこの協定は、オバマ前大統領が主導して中国を巻き込み、発効したもの。駐中国米代理大使はこの決定に抗議し、辞任を表明しています。

また、6月5日からサウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)など7ヵ国がカタールに国交断絶を宣言した問題でも、アメリカの振る舞いは目を覆いたくなるほどひどいものでした。トランプ大統領がツイッターでサウジ側を強く支持する発言をしたそばから、米国防総省は「カタールの長年に及ぶ駐留米軍への支援と地域安全保障への尽力に感謝する」と、真逆の見解を表明したのです

この「断交事件」の背景は複雑です。事の発端は、カタールの首長が米政権への批判やイランへの接近をにおわせる発言をし、これにサウジが怒った…というものでした。ところが、米CNNなどの報道によれば、このカタール首長の発言自体が、ロシアのハッカーがカタールの国営通信社のシステムに侵入して発信させた“フェイクニュース”だったというのです

今回の断交に関して、ロシアが実際にどれほどの影響を及ぼしたのかは闇の中です。ただ、中東問題に関しては、これまでもあらゆるガセ情報が流され続けてきました。それに(少なくとも表向きは)動揺せず、泰然自若と構えることこそがアメリカのプレゼンスのキモであり、“賢者の選択”だったはずです。米国防総省のカタールに対するコメントは、こうした流れを踏まえたものでした。

ところが、トランプはこうした戦略を放り投げ、(ロシアの戦略に騙されたか、わかっていても乗っかった)サウジ側に露骨に肩入れしてしまった。ひとりの大統領によって、アメリカの外交がシロウト化してしまったのです

アメリカという国が世界各地で莫大(ばくだい)な投資を行ない、時に汚い工作や残虐行為に手を染めつつも、ある種の安定に寄与してきたのは紛れもない事実です。その歴史的経緯を踏まえると、トランプのあまりに粗暴なやり方は、世界各国のアメリカに対する信頼ーー特に、アメリカの発信する理念や道義に対する信頼を間違いなく破壊していく。今後、アメリカは「世界の基軸」の地位からは滑り落ち、その権益や影響力は極めて限定的になっていくでしょう。

そして、これまでアメリカが「世界の警察」として振る舞うことで微妙な安定を保ってきた中東地域などでは、ロシアや中国がその隙間に入り込んでくるはずです。カタール問題は、“トランプ後の世界”のカオスぶりを示唆しているような気がしてなりません。


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