藤井聡太四段の異次元の強さに、対戦経験者も驚きを隠さない(写真はイメージです)

昨年12月のデビュー戦以来、公式戦をひとつも取りこぼさず、6月26日に歴代1位となる29連勝を達成。

その後、30連勝こそならなかったものの、公式グッズの扇子やクリアファイルは即完売し、対局中の出前までも注目が集まる藤井聡太(そうた)四段。

彼の異次元の強さを、26連勝目の白星を献上する形になった瀬川晶司(しょうじ)五段は、こう解説する。

「私との対戦では終盤にミスもあったのですが、彼には踏みとどまる力がありました。詰め将棋の分野では以前からプロ棋士を含めトップの実力者でしたが、まさか、ここまで早く将棋界で名を馳(は)せるとは」

さらに、瀬川五段は、藤井四段の印象をこう続ける。

「対局中、多くの棋士は無言で席を立つのですが、藤井四段は席を立つ際は『失礼します』、戻る際も『失礼しました』とお辞儀をしていました。

デビューから連勝という、ありえない強さはもちろん、その礼儀正しさも尊敬に値します。私は敗れましたが歴史的快挙の一端に立ち会えたことに喜びを感じますね」

7月2日、公式戦で初めて敗れた。しかし、連勝記録が止まろうと、その強さと人間性が本物なのは間違いない。