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日本サッカーを成長させる個性的な外国人選手たち――DFとして最高にイヤなW杯得点王の駆け引きとは

[2017年07月24日]

現役時代にマッチアップしたW杯得点王について語った宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第5回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

前回に続き、ポドルスキの神戸加入を機に現役時代、Jリーグで対戦した外国人アタッカーの思い出を振り返る。あのW杯得点王のすごさはどこにあったのか…。

* * *

現役時代につけていた私のサッカーノートのページに「スキラッチはバカ!」と書いてある。

スキラッチとは、ジュビロ磐田にいたFWサルバトーレ・スキラッチのことだ。彼は本当にDF泣かせのストライカーだった。90年W杯イタリア大会の得点王になった元イタリア代表は、1994年から1997年までJリーグでプレーしていたのだが、4年間のリーグ戦78試合で奪ったゴール数は56点。驚異的なゴール率を残した理由は「ずる賢さ」と「スピード」があったからだろう。

彼は試合になると開始直後からオフサイドに何度も引っかかるし、試合中はわけのわからないところで笑う。DFとしては気持ち悪いといったらこの上なかった。

しかし、スピードに優れているので、試合が進むにつれて何度もラインギリギリでの駆け引きが続くと、CBとしてはオフサイドを仕掛けるのがプレッシャーになる。もし、オフサイドラインをかいくぐられたら失点は免れないからだ。そうしたDFの気持ちを見透かしたかのように、試合終盤になるとオフサイドにならないギリギリのタイミングで飛び出してゴールを決める。最高にイヤなFWだった。

ただ、JリーグにW杯得点王がいることは、DFとしては本当に勉強になったし成長することができた。

そして、Jリーグが始まる前の日本リーグ時代、外国人選手たちもかなり強烈な連中ばかりだった。例えば、フジタ工業にいたピーター・ハインズは身長190cmを超え、顔は俳優のエディ・マーフィーをさらにカッコよくしたようなFWだった。10代の頃はアマチュアボクシングで負け知らず。サッカーをやるか、ボクシングをやるかで悩んだほどの実力で筋骨隆々だった。

そのピーターが中国遠征時に対戦相手の中国人選手からラフプレーを受けた。カッとなった彼が相手の胸グラをグッとつかみあげたら、次の瞬間、その中国人選手の体が宙に浮いた――。その時は本当にビビったね。気は優しいから殴ることは絶対にないけれど、片手で人間ひとりを持ち上げられるパワーを持っていることに心底驚かされたよ。

ピーターは寮の部屋の戸棚にいろんな酒のボトルをズラーっと並べるほどの酒好きで、練習が終わった後も規格外だった。グラウンドから寮まで車に乗り合わせてみんなで帰る時、いつも彼が運転手にはジュースを、他の同乗者にはビールを1人1本、大瓶で買ってきた。


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