首が短いからヒジをついてゴハンを食べるイボイノシシ。食べるのに夢中でお尻がら空きよ!

皆さん、先週は100ヵ国達成にたくさんのお祝いの言葉をありがとうございます! これからも日々精進、旅に邁進していきたいと思います!

と言いながら、次なるお国「ボツワナ」は、の~んびりとした“ゆる旅”となりました。ボツワナとは「ツワナ人の国」との意味を持ち、国民の約9割がツワナ人。ザンビアとの国境は約150mしかなく、世界で一番短い国境線なんだって。

ザンビアやジンバブエからは気軽に行けるので、日帰りで遊びに行こうと相乗りタクシーで国境へ向かった。そして、いつも通りにイミグレーションの建物に入ると……え、なぜこんなところにコンドームのディスペンサーが?

イミグレのフリーコンドーム。国境は基本撮影禁止であるが、なぜかフリーコンドーム前での撮影はOKだった

実はこのフリーコンドームは旅人の間では有名。ザンビアやボツワナ、ジンバブエなど周辺の国々ではエイズ感染率が高く、過去には平均寿命が30代や40代まで落ち込んだこともあるという。

ボツワナは政治的には安定していて「アフリカの優等生」とも呼ばれる一方、数年前までは世界3位のHIV感染率の国という状況に悩まされてきたのだ。そのため、こうやってフリーコンドームを配ることで、感染率を減少させている。

また、入国の際には口蹄疫の予防のため靴の裏を消毒するという、これまでどこの国境でも体験したことのない作業をして入国した。

ザンビアからボツワナへ行くために、地元民とフェリーでザンベジ川を渡ります

ザンベジ川を渡るフェリー。現地の人たちは派手な柄が良く似合う

靴の裏を消毒。なんだか夏休みにプールに入る時の気分だ

ボツワナに一歩入ると、目の前にはザ・ズー! 『ライオンキング』に出てくる鳥のモデルとなったアカハシコサイチョウである。

いきなりレアモノが出現したのはいいが、本来ここに来るはずのバスがいくら待っても出現しないのには困った。日が暮れる前にザンビアへ戻りたいので、悠長にハクナマタタ(なんとかなるさ)とか言ってる場合ではない。

ボツワナに入国!

熱帯性の鳥アカハシコサイチョウ。日本にも輸入されているようで、ウン十万円で買えるらしいよ

ボツワナの野性の魅力を見せつけられる

途方に暮れていると、「テンプラ! テンプラ!」と声が聞こえたので、天婦羅の販売かと思ったらタクシーの勧誘で「10プラ」はボツワナ通貨のことを言っているようだ。

ひとまずそのタクシーに乗り込むと、今度は「チョベリバ! チョベリバ!」とギャル語を連呼する運転手。何がそんなにチョベリバ(超ベリーバッド)なのかと思ったら、チョベ国立公園を流れる大きな川「チョベリバー」のことだった。

ボツワナ通貨10プラ(約108円)

このチョベリバーには多くの野生動物が生息し、ゲームドライブやリバーサファリなどがチョベリグ(超ベリーグッド)な低価格で体験できる。

サファリに参加するためには、拠点になる4つ星ホテルに泊まるのが定番だというのだが…心配ないさ~! ホテルの敷地内にはキャンプサイトがあり、テントを持ち込むと1泊千円程度で宿泊できるという旅人ならではの裏ワザがあるのだ。

その様子を見学しようと現場に行くと、ホテルの中庭はまるで実写版『ライオンキング』の世界。ティモンに似たミーアキャット(マングース科)や、プンバァのようなイボイノシシが悠々と歩いている。

そしてテントエリアになっている川岸には「ワニやカバにご用心!」と、めちゃめちゃ怖い注意書きがあった。これには…心配になるさ~!

野生動物にご用心!

ワニのエサにはなりたくないので、私はテント泊せず、後日、ボツワナに再訪してゲームドライブ(陸)とリバーサファリ(川)に参加した。

すぐにたくさんのインパラが現れ、続いてシンバのようなライオンが登場! それにアフリカゾウの生息密度は世界一で14万頭いるというだけあってたくさんのゾウに遭遇。くわえた草を左右にブンブンと振り、しっかりと水切りしてから食べる姿を現地人ガイドが「あれはチョベスパゲティーだよ(ギャグ)」と言っていた。

他にもバッファロー、キリン、カバ、ワニ、ハゲワシ、サギ、シギ、トカゲなど、これでもかというほどボツワナの野性の魅力を見せつけられた。

ワニ結構いるから、やっぱりテント泊危険じゃない?(笑)

インパラだらけ

象がチョベスパゲティーを食べております

のんびりバッファロー

コウノトリの仲間、アフリカトキコウ

しかしボツワナの魅力はそれだけではない。ここは世界屈指のダイヤモンド産出国で、一昨年には世界最大級の1109カラットの巨大ダイヤモンドが発掘されたそうだ。キラーンッ☆

「まぁ、旅人には関係ないけどね」と言いつつ、心のどこかで奇跡を期待していた私はまさかダイヤが落ちてないかな~なんて地面を見つめ歩いていました。

すると…!

キラリと光るブラックダイヤモンド!?

キラリと光るブラックダイヤモンド!!

ではなくカブトムシ…? と思ったら、どうやらこれはフンコロガシ。しかしフンすら転がしておらず、道から転がり落ちてひっくり返ってしまった。

「ダイヤを期待していたのに、私が見つけたのはフンコロガシ…」

フンコロガシ。(上)歩いていたけど、(下)ひっくり返る

なんだか超ベリーガッカリでチョベリガな気分だったけれど、フンコロガシをバカニスルベカラズ。和名はこんなんだけど、世界では「スカラベ」と言われ、エジプトでは太陽の化身や聖なる存在として崇められていたんです。

しかも研究によると、フンコロガシは動物のフンの中で交尾するために、自分の体重の1141倍もの重さのものを転がすことができる世界一力持ちな昆虫なんだとか。人間にたとえると2階建てバス6台分を持ち上げることに相当するんだって!(ちなみに、ここまで力が強くないフンコロガシもいるが、その場合は大きな睾丸を持ち、その生殖能力の高さでメスを惹きつけるそうな)

さらには力だけでなく、理由は解明されていないがフンコロガシは天の川の星の光を頼りに進んでいくことがわかっている。愛のために最強の力を発揮し、星空へ向かって進んで行くなんて、超ベリーロマンチックではありませんか! チョベリロ~(しつこくてスイマセン!)

しかも、生息地は主にアフリカの砂漠や草原で日本には生息していないレアキャラ。ダイヤモンドに巡り合うことはなかったけれど、まるでフンコロガシの王子様に出逢ったような気持ち…。やっぱり私にでっかいダイヤは縁がなさそうなので、いつかフンコロガシのようにパワーと夢のある旦那でも見つけるとするか。

さ、ザンビアに帰ると、小さくて真ん丸の珍しいカエルが現れた! 今度はカエルの王子様? 静かに見つめていたら、このカエルもまた自分でひっくり返って起き上がれなくなりジタバタとしておりました。

小さくて、真ん丸で、ジタバタしてる…。なんだろうか、まるで自分を見ているようで、妙に親近感が湧いたのであった…。

カエルだけにひっくりカエル。南部アフリカに生息するアメフクラガエル。 (上)歩いていたけど、(下)ひっくり返る

次の国へジャーンプ!

【This week’s BLUE】水色に黒ラインの国旗がたなびくボツワナの空。風よ吹け!(笑)

旅人マリーシャの世界一周紀行:第154回「100兆ドル札が紙切れに…ハイパーインフレ後の独裁国家でイモムシを食らう!」

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。バックパックを背負 う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】