利用者数日本一の海老名SA下り線。入り口付近の「うまいもの横丁」には10店舗が集結。中にも海老名限定のショップやグッズがずらり

えりすぐりの絶品&限定グルメがそろい、施設の面でも日々進化を続ける日本のサービスエリア--。

なかでもトップを走るのが、東名高速道路・海老名SA。なぜこのSAがドライバーに愛されるのか? その秘密を探れば、SAの未来像も見えてくる!

■最高の立地が人を呼ぶ

ここ数年、急激な進化を遂げている高速道路のサービスエリア(以下、SA)やパーキングエリア(以下、PA)。その土地のおいしそうなグルメやお土産がずらりと並び、トイレもデパート並みに快適。まるでショッピングモールのような雰囲気で大盛況。

なかでも日本一人気があるSAといえば「海老名SA」(神奈川県海老名市)。日本の大動脈、東名高速に位置し、東京に一番近い大型SAということもあって、上下線合わせた売上高は全国トップ!

また、一日当たりの平均利用者数は、休日で下り線が約6万人、上り線は約4万6000人。上下合わせると、利用者数も全国で一番多い。さらに駐車場の台数も上下合わせて1000近くと最大級。それでも、休日や行楽シーズンともなると駐車場に入るために車が順番待ちとなるほど。

ではなぜ、海老名SAはここまで多くのドライバーに愛されているのか?

『高速道路ファン手帳』(中公新書ラクレ)の著者で高崎経済大学の佐滝剛弘(さたき・よしひろ)特命教授に、海老名SAに人が集まる背景を聞いた。

「海老名SAがある東名の横浜町田ICと厚木ICの区間は、日本で一番交通量の多い高速道路です。しかも、大和トンネルや伊勢原バス停といった渋滞の名所が近くにある。そのため、渋滞に疲れて、あるいは渋滞を抜けてほっとひと息つくためにSAで休みたいというニーズが多く、それが海老名SAに利用客が集中する大きな理由です」

利用客が多ければ、スペースが拡張され、新たに入った個性的な店舗やその商品が話題になる。その代表が、今や海老名の名物「メロンパン」。これはもともと、海老名SAを利用しているバスガイドさんによる口コミで人気が広がったといわれている。

「最初口コミから始まった評判が一気に広がっていったのはやはり、東京に近い立地なので、メディアが取材しやすいのも強みとなっているのも間違いありません」(佐滝氏)

◆『週刊プレイボーイ』34・35合併号「進化する東名高速海老名SA人気の秘密」では、SAの未来像や海老名SA限定グルメを紹介。そちらもお読みください!

(取材・文/高山恵、井出尚志[リーゼント] 撮影/田中一矢)