世界一美しい民族ヒンバ族と私が髪形を比べてみました

アフリカ大陸縦断も後半戦。次のナミビアに向かうため、バスに乗る直前に両替をすると、手渡された通貨はナミビアドルではなく南アフリカランド。

騙された! 両替商に「ちょっとこれ、ナミビアのお金じゃないんだけど!」と訴えると「南アフリカランドはナミビアでも使えるから大丈夫」とのこと。レートも同じような感じだったので問題はなかったが、想定外のことが起きると本当焦るわ~。

アフリカの大手バス会社インターケープで移動

バスに乗る直前にザンビアのお金をナミビアランドに両替。右奥の白と水色のスタジャンを着た人が両替商

そしてザンビアからナミビアまでは長距離バスで約22時間、ほぼ丸1日かけて首都ウィントフックという街に到着した。

ナミビアには世界最古の砂漠と言われる「ナミブ砂漠」があったり、昔好きだったアーティストの歌のタイトルだったこともあって、なんとなく憧れていた国のひとつ。

街は美しく整っていて、なかなか都会的でビルやショッピングモールや、それから旅人御用達のヒルトンホテルもある。御用達と言っても宿泊するわけではなく、旅人がここに集まるのはWi-fiを借りるためと、隣接する駐車場のマーケットに現れる「ヒンバ族」に会うため。

真ん中の建物がヒルトンホテル。右は役所

ヒンバ族とはナミビア北部に暮らす「世界一美しい民族」と言われる裸族で、女性は肌を保護するため体や髪の毛に赤土とバターを混ぜたものを塗っているのが特徴。最近では少数民族写真家ヨシダナギさんが彼女たちと同じように裸になって撮影したことでも有名だ。

本来なら遠い村まで行かないと会えないわけだが、なんと街に出稼ぎに来ているヒンバ族がいるらしいのだ。

早速、駐車場に向かうと、い、い、いたー!!

ヒンバ族発見!

フリマのように並んだ数軒の店の中にヒンバ族も普通に混ざってお土産を売っていた。

堂々とした上半身裸姿にいやらしさはなく、赤褐色の肌が美しい。ダルそうに地べたに座っている様子はひと昔前のセンター街のギャルみたいだったけど、初ヒンバ族に私の胸は高まった。

そして、私が彼女たちに近づいた、その時!

ヒンバ族商売中!

ヒンバ族は一生お風呂に入らない?

グイッ!!

彼女たちはすかさず私の腕を引っ張っり、「カワイイ! カワイイ! ハウメニー?(何コ買うんじゃ、ワレ)」と言って乱暴にブレスレットを付け始めた!

ビックリした私が「イタイイタイ!」と言うと、彼女たちもマネして「イタイイタイ! カワイイカワイイ! ハウメニー? 10?」と言いながら、ブレスレット攻撃を続けた。

あっという間に腕がブレスだらけで、ついに私「ウェイウェイウェーイ!(待て待て待てー!) 多すぎんねん!」とつっこんだ。

ヒンバギャルズに囲まれる私。腕のブレスレットの数!

そして「ブレスレットを買うから写真を撮らせてほしいの。よろしくね!」と頼んだ。

民族撮影にチップを払うのはエチオピアの少数民族巡りで覚えた常識。ヒンバ族の撮影には土産購入が必須なんて、ここに来た旅人なら誰でも知ってるわよ。

彼女たちが少し落ち着いたので、私はブレスレットをふたつ選んで60ナミビアドル(約600円)を支払った。すると急に「これは私が作ったの」「こっちは私。カワイイでしょ?」と愛想が良くなり、一緒に写真を撮らせてくれた。

ヒンバ族と記念撮影。あまりやる気は感じられない

横ではひとつもブレスレットが売れなかったコが「私からも買えー! このハゲー!」とお怒りモードだったけど、売れたコは我関せず。

なかなかキャラの濃いヒンバ族だったけれど、買うと喜ぶし、買わないと怒る、ノってくると大笑いもする、ある意味、とても素直で面白い女子たちだった。

ちなみに、水が貴重な場所に住むヒンバ族は一生お風呂に入らないそうだけど、代わりに抗菌作用のある香草の粉末を塗り清潔を保つんだそう。また香木を炊いた煙で脇や股間など、体中を燻(いぶ)しているそうで、近くに寄っても全く匂うことなし。

むしろ、丸1日かけて移動してきてシャワーを浴びれていない私のほうがヤバイかもしれない...。

ヒンバ族のテレ顔ゲット! テヘ!

ヒンバ族の笑顔ゲット!大爆笑!

ヒンバ族の髪アップ! 髪の毛も赤土が塗ってあり、まとまっています

レンタカーに翻弄されて...

さて、ヒンバ族にはすんなり会えたものの、実はナミビアの旅はかなり難易度が高い。砂漠などの見どころが点在していて、周遊するのに都合の良い交通機関がないからだ。

なので、旅人は高額ツアーに参加するかレンタカーを借りるのが一般的なのだが、この「レンタカー」が相当デンジャラス

周遊コースは未舗装の道路が多く、悪路にタイヤをとられて車が横転したり、大破させてしまったりと事故を起こす確率がとても高いのだ。これまでにも多くの旅人が大事故に遭っていて、保険でカバーしきれず100万円相当の支払いをするハメになったり、時にはケガをしたり命を落とすようなこともあった。

実は私も昨年、旅友をひとり亡くしている...。

街のシンボルのキリスト教会

だから本当はレンタカーを借りることもすごく悩んでいたのだが、ちょうど宿で出会った日本人男子3名がレンタカーで周るというので、それに便乗させてもらうこととなった。

そうと決まれば早速、大手有名レンタカー会社でレンタカーをネット予約。出発日に車を取りに行くとレンタカー屋は当たり前のようにこう言った。

車は全部ないよ! この週末は連休だからね」

はぁああああああ??? 宿もチェックアウトしてるし、行先の宿の予約もしてるし、出発できないのは困る! 「責任者呼んでこーい!」となったワケですが、ニヤニヤしながら現れたマネージャーっぽい人は悪びれた様子もなくこう言った。

「ネットで予約してても、ないものはないから仕方ないさ! ソーリー。まだお金を払ってないからラッキーじゃないか!」

私はいつもこんな時のソーリーが「ごめん」という謝罪ではなく「残念だったねぇ」と他人事のように言われてるようにしか感じられず、腑に落ちない。

私たちは肩を落としたまま街中のレンタカー屋をしらみつぶしに当たったが、どこも数日先まで車がない。諦めかけたその時、ついにあるレンタカー屋で希望の光を見つけた。「明日1台帰ってくるから、もしかしたらそれを貸せるかも! また来てくれよな!」

翌日、再びレンタカー屋に行くと、車が時間通りに帰ってきたー! 「やったーーー! 車ゲットだぜ!」と喜んだのも束の間、なんと帰ってきた車はまさかの車検切れ! こんなことある?

これにはレンタカー屋もビックリしつつ、乗って帰ってきた客と「捕まらなくて良かったね」なんて呑気な会話をした後、「残念だけど、車検切れだから貸せないよ。あとはバスならあるけど...」って。

さすがにバスは誰も運転できないので、この日も車ゲットならず...。ナミブ砂漠への道は遠い...。

【This week's BLUE】 ショッピングモールで写真を撮ったら、「逮捕するぞ」と言われました。この顔はめパネルはセーフ。

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第156回「地球上で一番隕石が落ちているナミビアで月面着陸!? ま、まさか...」

●旅人マリーシャ 平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

【告知】100ヵ国達成記念トークLIVE「世界なんでもBEST3」開催! 旅人マリーシャが独自の視点で選んだ世界なんでもBEST3を大発表! あなたを遠い異国の地へお連れしますよ!! 日時:9月1日(金)19時より 場所:荏原中延駅 徒歩4分「隣町珈琲(トナリマチカフェ)」 料金:2,000円(1ドリンク付き)。 予約をご希望の方は、隣町珈琲にお電話(03-6451-3943)にてお申込みください