私もカラオケで歌うときは本気です!

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

報道情報番組『ユアタイム』(フジテレビ系)ではメインMCを務める人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今、一番ハマっているのは『NHKのど自慢』という彼女。その魅力とは…?* * *

アメリカの学校では、年に1度ほど“Talentshow(タレントショー)”という催しが行なわれます。日本の学校の学芸会や発表会に近いでしょうか? ただし、アメリカのタレントショーは、みんなで劇を上演するようなものではなく、おのおのが自分の才能=Talentを披露する“一芸大会”に近いノリです。

ステージでは、マジックやバレエなどさまざまな芸が行なわれるんですが、私が好きなのは圧倒的に歌。うまくてもうまくなくても、素人の歌が私は大好きなんです。

そんな私が今、一番ハマっているのは『NHKのど自慢』です(笑)。実は、アメリカの家にもNHKは入っていたので、子供のときからなんとなく見てはいたんですが、最近になって毎週しっかりチェックするようになりました。

というのも、『ユアタイム』が始まってから、初めて“曜日感覚”というものが身につき、日曜は家でご飯を食べながら『のど自慢』を見ることが習慣になったからです。ちなみに、『のど自慢』の後は『新婚さんいらっしゃい!』→『パネルクイズ アタック25』のコンボが定番です(笑)。

さて、この『のど自慢』。毎週、全国各地の市町村で開催されていますが、毎週欠かさず見ていると、ビックリするくらい地域性がはっきり出ることに気づきました。

例えば、鹿児島県の南九州市は、やたらコスプレ率が高かったです(笑)。ぬいぐるみの犬を連れた西郷さんをはじめ、学ランを着た集団や、バスガイドの制服を着た方などなど。ちなみに、バスガイド姿の人は、てっきり本物のバスガイドさんだと思っていたんですが、ただのコスプレだとわかったときはコケそうになりました(笑)。

青森県青森市では、やたら“北国ソング”が歌われていましたね。青森県出身の吉幾三さんや、北海道出身の北島三郎さん、中島みゆきさんはもちろん、私が聞いたこともない東北出身の方の歌まで……。「北国のプライドが強いんだな」と感じさせるラインナップでした。

思わず「黒歴史」というメモをつけてしまった回は…

一方、関西の方は全体的にサービス精神が旺盛なんでしょうか。大阪府大阪狭山市の方はみんなエンターテイナーで、おばあちゃんがノリノリで『ろくでなし』を歌って帽子を放り投げたりしていました。奈良県五條(ごじょう)市の方々は、なぜか歌い方がすごくドラマチック(笑)。「宝塚か劇団四季か?」って思うくらい、ミュージカル調で歌う方が多かったです。

毎回、見飽きない『のど自慢』ですが、つい最近のお気に入りは静岡県小山町で行なわれた回です。私はいつも“自分の中のMVP”を決めているんですが、この日のMVPは中学1年生の男子ふたり組でした。Tシャツに「侍」、ハチマキに「我武者羅」という文句が書かれたおそろいの格好で登場したふたり。気合い十分で歌ったのは『残酷な天使のテーゼ』……。

思わず、テレビの画面をケータイで撮って、「黒歴史」というメモをつけてしまいました(笑)。「大人になったとき、彼らは今日のことをどんな気持ちでふり返るんだろう」と想像すると、胸が熱くなります。

こうした“黒歴史系”以外にも、“おそろいおばさん”など高頻度で登場する常連キャラは、次回ご紹介します!

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、報道情報番組『ユアタイム』(フジテレビ系)でメインMCを務める。スナックで聴く素人の歌も大好物