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だからこそサッカーは面白く、W杯は愛される──心震えたイングランドサポーターと“ベッカムの涙”

[2017年08月21日]

1998年W杯、衝撃的なベッカムの退場劇を現地で取材していた宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第9回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今月末の2018年ロシア大会最終予選、運命を分けるホームでのオーストラリア戦を控え、今回は初めて現地で観戦・取材をしたW杯フランス大会で、強烈に印象に残ったというあの名試合について。

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6月のコンフェデレーションズカップの取材で、初めてロシアに行ってきたが、サッカースタジアムは圧倒的な存在感だった。

日本代表は来年のW杯ロシア大会に向けてのアジア最終予選のクライマックスの真っ只中だけど、なんとしても残り2試合で出場権をつかみ取って、あのスタジアムでプレーしてもらいたい。

振り返れば1995年限りで現役を退いてから数多くの国際大会を現地取材してきた。96年にアラブ首長国連邦で開催されたアジアカップを皮切りに97年のW杯アジア予選、98年のW杯フランスがあって、99年には日本代表が招待出場したことでパラグアイでの南米選手権にも行った。

その後もほとんどの国際大会を観てきた。現地に行けなかったのは、東京でのスタジオ放送を担当した2000年シドニー五輪くらいだ。

現役時代は長く国籍に縛られて国際試合の出場は望むべくもなかった私が、引退した途端に次から次へと国際大会を現地で観ることができるようになった。夢のような気持ちになる一方、若い頃に国籍問題で苦しんだ分、こうした幸運があるのかなと思うこともある(笑)。

数多くの国際試合を観てきた中で、やっぱり98年のフランス大会は忘れられない。私が生まれて初めてスタジアムで生観戦したW杯だ。日本戦を現場で観られたのはアルゼンチン戦だけだったが、『チリ対イタリア』や『イングランド対アルゼンチン』といったフランス大会のハイライトになるような凄いカードをスタジアムで目の当たりにできた。

今でも「98年大会のベストゲームは」と聞かれて即答するのが、決勝トーナメント1回戦のイングランド対アルゼンチン。本当にドラマティックな試合だった。

イングランド代表はマイケル・オーウェンがまだ18歳で、デイビット・ベッカムが23歳。イングランドには他にもポール・スコールズやアラン・シアラーなどがいて、アルゼンチン代表にはベロン、オルテガ、バティストゥータ、ディエゴ・シメオネ、ハビエル・サネッティ…。両チームとも錚々(そうそう)たる顔触れがピッチに並んでいた。


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