『週刊プレイボーイ』で対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」を好評連載中の"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、新宿・歌舞伎町の「週プレ酒場」に登場!
前編に続き、中国の通信機器大手「ファーウェイ」から見る日本の価値観、世界の価値観について語る!
* * * ホリ 日本でおサイフケータイがどうとか、フェリカがどうとか言っている間に、中国ではもっと簡単なQRコードで決済できるようになっている。コンビニはもちろん、寄付もQRコードでできるって話じゃん。
ひろ でも、言われてみれば納得ですよね。おサイフケータイとかICカードとかなくても、スマホとQRコードがあれば決済はできますから。んで、スマホだって最低限の機能があればいいので、格安ので十分だし。
ホリ そう。だから日本のほうが遅れてて、まだ現金を使うんだよ。
ひろ という感じで、日本にいると見えないことはたくさんありますよね。初任給40万円の話だって、海外の企業は40万円出す価値があると思っているのに、日本の企業は20万円そこそこで雇っているという見方もできるわけですよ。
ホリ 今思い出したんだけど、1998年くらいに俺の会社、オン・ザ・エッヂでQRコードの決済システムをつくっていたんだよね。ちょっとタイミングが早すぎたな(笑)。今のQRコードの広がりを見てると、もし中国とかで会社をつくっていたら、ものすごくうまくいってたかもしれない。
ひろ そもそもQRコードってデンソーが開発したわけですけど、なんで無料開放したんですかね? もったいない気もしますけど。
ホリ 俺は特許を取るべきじゃない派なんだよね。特許を取れば金儲(もう)けはできるだろうけど、金儲けしてもしょうがなくね?
ひろ ほう。でも、やりたい事業とかがあってもお金がないとできないじゃないですか?
ホリ う~ん。例えば、ここ数年はクラウドファンディングを使えば割と簡単にお金って集まるよね。俺も「ロケットを造りたいから資金が必要です」って言ってたら、実際に集まってくるし。
ひろ なるほど。自分でお金を儲けて好きなことをやるより、社会の信用を得て「俺、これやりたいから金出してくれよ」と言ったほうが集まりやすいってことですね。
ホリ そうそう。例えば、QRコードの開発者だって特許でお金儲けするんじゃなくて、「俺がこのQRコードを開発したんだけど、便利だから使ってみて」って言ったら、少なくともそのコミュニティでは神になるよね。そういう人が「次は、こういう事業をやりたい!」と言えばお金を出す人は多いでしょ。
俺、逮捕されたけど、みんなそれほど気にしてないでしょ
ひろ でも人気を維持するのってめんどくさくないですか? スキャンダルみたいなことがあればその価値ってすぐに下がるわけだし。
ホリ いや、意外と下がんないよ。
ひろ じゃあ、会場にいる人に聞いてみたいんですけど「堀江さんが不倫をしたら嫌いになる」っていう人はどれくらいいます? あ、全然いないわ(笑)。
ホリ でしょ? 俺、逮捕されたけど、みんなそれほど気にしてないでしょ。JALが潰(つぶ)れたことを忘れてる人だって多いじゃん。だから、スキャンダルなんて時間の経過を待てばいい。そして、それよりも素晴らしい業績で塗り替えればいいんだよ。
ひろ そういうのも日本に閉じこもっているとわかんないですよね。ということで、テーマからずいぶん離れましたけど、こんな感じでまとまりますかね?(笑)
ホリ 大丈夫じゃない?(笑)
(構成/杉原光徳 加藤純平 撮影/村上庄吾)
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中
●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)