横浜自慢の観光スポット「みなとみらい」。イケてる都市代表の「横浜市」だが、“実際のところ”はどうなのか?

政令指定都市で全国1位の人口(約370万人)! 「みなとみらい」を中心に観光スポット多し! 住みやすい街ランキングでは上位の常連! そんなイケてる都市の日本代表「横浜市」。

だが!、“実際のところ"を掘っていくと、OH! 見えてくるよ~本当はイケてない横浜の正体が!(この記事の編集担当は横浜の発展をひがむ名古屋出身のボンクラです)

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横浜は観光地として存在感を発揮しており、山下公園や赤レンガ倉庫、中華街(3ヵ所とも中区)などには、国内外から連日観光客が押し寄せている。横浜市文化観光局の統計によると、2015年の観光客数は約4859万人で、前年に比べて9.8%増加した。

「15年に『上野東京ライン』が開業して、東海道線―高崎線で前橋(群馬)、大宮(埼玉)、東京、横浜が一本でつながったおかげで埼玉方面からの観光客が急増しています。とりわけ、赤レンガ倉庫やみなとみらい(西区)、桜木町(中区)周辺が人気ですね。現在、カジノ誘致が議論されていますが、もし実現すれば、外国人を中心に、さらに観光客が増えるでしょう」(横浜市政を取材している地元新聞記者)

このように横浜は観光客が訪れるオシャレな街として前途洋々である。だが、そんな“明るい横浜”はほんの一部の地域にすぎない。

「港を中心に美しい景観があって、レジャー施設が充実していて、住みやすいから人口も増え続けていて……それが横浜の一般的なイメージかもしれません。でも、全体を見たら、そんな印象を抱けるのは横浜市18区の中で西区と中区ぐらいですよ! そのほかハッキリ言って“僻地(へきち)”と言ってもいいとこばっかり!」

そう話すのは最近、横浜を“脱出”し、茅ケ崎駅(神奈川県茅ヶ崎市)近くにマイホームを建てた50代の男性だ。

「コンビニとかスーパーとか、最低限の生活ができる店は当然そろっていますが“魅力的”ではないと思いますよ。それは西区や中区からちょっと離れればわかります」

彼に訪問を勧められた“僻地”が港南区。横浜駅から電車で20分程度の距離にある地域だ。同区の中心駅である根岸線の港南台駅に降りてみた。

この辺りは“図書館砂漠”だ

駅周辺にはダイエーやニトリなど、店はそろっている。見たところ生活に不便はなさそうだが、街の人に話を聞いてみると……。

「日々の生活程度なら困らないよ。でも、ちょっとした買い物になると上大岡(港南区)や、市外の大船(鎌倉市)へ出かけなくてはいけないのが不便かな」(30代男性)

「図書館が少ないのが不満だね。本がたくさん置いてある公立図書館は区にひとつしかなくて、港南台駅からは歩きで1時間ぐらいかかる。隣区(栄区)の栄図書館はまだ近いけど、それでも30分以上はかかるし」(40代男性)

13年、港南台駅周辺に住む市民団体が図書館の充実を区議会などに求めた。その際、呼びかけ人のひとりは「この辺りは“図書館砂漠”だ」と表現した。だが、“砂漠”が広がっているのは港南区だけではない。前出の地元記者はこう言う。

「横浜市が発表した統計(16年)によると、市民ひとり当たりの図書館数、蔵書数は政令指定都市で全国ワーストとなっています。例えば図書館がひとつしかない港北区は人口33万人の都市ですが、同じくらいの人口の東京都中野区は8、北区は14あることを考えれば、その少なさがわかるはずです」

★『週刊プレイボーイ 36号』(8月21日発売)「イメージほど魅力的じゃない『横浜市』の正体」では、このほかにも“給食がない”、“坂道多すぎ”、“「みなとみらい」に行かない地元民”…など、横浜の“実際のところ”をレポート!

(取材・文/昼間たかし)