新機能や新モンスターが続々と登場している『ポケモンGO』

『ポケモンGO』のスタートから1年余り。開始時の過熱ぶりからは想像できないほど、今や『ポケGO』関連のニュースは見なくなった。だが、もう“オワコン”なのか?と思いきや、どうやらそうではないらしい。

今、ポケGOは新ポケモンや新機能などが続々とアップデートされ、さらには面白イベントもめじろ押しとのこと! ポケGOのゲームディレクター・野村達雄氏の自伝『ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる』(小学館集英社プロダクション)の構成にも携わった、デジタルライターの岡安学氏に聞いた。

■「ポケGO」再入門1

―早速ですが、ポケGOの現状はどうなんですか? ある調査によると、ポケGOのアクティブユーザー数は、16年7月の時点は約1100万人でしたが、17年6月には約440万人にまで減ったそうですよ。

岡安 確かに一時期のように“誰もが遊んでいる”という状況ではありません。でも、今年8月に横浜で1週間かけて行なわれたイベントでは大量発生したピカチュウ目当てに約200万人が来場しました。コミックマーケットは3日間で約50万人、東京ゲームショウが4日間で約27万人というのを考えると、すごい数です。一部では「続けているのは中高年」などといわれていますが、僕の実感としては若いユーザーも十分多い。先述のイベントには全年齢層が参加していました。女子高生もキャーキャー言っていましたよ。

―ポケGOがスタートした昨年7月からやり始めて、1、2ヵ月後にはやめてしまった人は多いと思います。今も続けている人のモチベーションってなんですか?

岡安 今のポケGOプレイヤーの大多数は、ポケモン集めを一番の目的にする“コレクション派”と呼ばれる人たち。最近、彼らが喜ぶ新要素がどんどん増えているんです。

例えば、今年2月に80種類以上の新ポケモンが追加されました。ポケモンは現在、全部で802種ありますから、これからも定期的に増えていくでしょう。ほかにも、先ほど紹介した横浜のイベントに伝説ポケモン「ミュウツー」が登場したり、昨年のクリスマスにサンタ帽をかぶったピカチュウが出現したりと、コレクション派の収集欲を刺激するイベントや仕掛けが盛りだくさんです。

うれしい新要素と新システムとは?

―では、これから始める初心者や、リスタートしたい人にとってのうれしい新要素とかはないんですか?

岡安 もちろん、あります。例えば、今年6月にほかのトレーナー(プレイヤー)とバトルする場所である「ジム」の大幅な仕様変更がありました。それまで各ジムには、ボスのような存在のトレーナーがいましたよね。いわゆる“ガチ勢”と呼ばれる、レベルの高いポケモンをズラリと並べた強いトレーナーです。

―ジムには何度か挑戦しましたけど、たいていガチ勢に返り討ちにされました。勝ってもあまりメリットを感じられなかったし。では、そのジムにどんなルール変更が?

岡安 いくつかありますが、代表的なのが「やる気システム」の追加です。これにより、ジムに配置しているポケモンは、時間が経過するほど「やる気」が下がり、それに伴って、ポケモンのCP(コンバットパワー=戦闘力を示す数値)も下がってしまうという仕組みです。

―居座り続けるほどポケモンが弱くなっていくから、経験が浅くてもガチ勢に勝てる可能性が高くなった、ということ?

岡安 そう。あとは、ジムを陣取ると「ポケコイン」というゲームの通貨がもらえるのですが、その報酬システムも変更されました。これまで一定時間、ジムを防衛するとそのたびに報酬として、ポケコインというゲーム内で使用できる通貨がもらえたのですが、長期間、ジムを陣取っていてもポケコインが稼げなくなった。ジムを長期防衛する意味が薄くなり、より多くのユーザーがジムでバトルしやすくなったといえます。

◆『週刊プレイボーイ』37号(8月28日発売)「1年ぶりに始める!!「ポケモンGO」再入門」では、この他にもマニアな楽しみ方を紹介。そちらもお読みください!

(取材・文/河原塚英信 取材協力/河合桃子)