週プレNEWS TOP ニュース 社会 殺虫剤は逆効果? ヒアリを余計に増殖させる“やってはいけない”駆除対策

ニュース

殺虫剤は逆効果? ヒアリを余計に増殖させる“やってはいけない”駆除対策

[2017年08月30日]

南米原産の毒性の強いヒアリは中国南部を経由して、港湾部を中心に日本国内13ヵ所で発見されている

環境省や自治体が水際での侵入阻止に取り組んでいる“殺人アリ”こと、ヒアリ。だが、アリの研究者として東京大学などで講師を務める寺山守氏は「今のままでは港湾部から都市部へ、生息域が拡大する恐れもある」と警鐘を鳴らす。

ヒアリの怖さは、その毒性の強さとともに繁殖能力が異常に高い点にあることを前編記事で伝えた。まず、女王ヒアリは毎日1500~2千個の卵を産む。さらに、高さ50㎝ほどの巨大なドーム状の巣を“本部”とし、その周辺に“前線基地”のような小規模な巣をたくさん作ることで生息域を急拡大させていく生態を持つ。寺山氏によると、大規模な巣では働きアリ(女王ヒアリの子)の数は100万匹にも達するそうだ。

騒動が全国に飛び火する中、後編ではヒアリ根絶へ国が取るべき方策と、その“毒針”から身を守るための方法を聞いてみた。

―全国13ヵ所の港湾からヒアリが次々と発見されていますが、現在、国内でヒアリの本部(大規模な巣)は見つかっているのでしょうか?

寺山 環境省などの発表を見ていますと、まだのようです。“前線基地”のヒアリがコンテナに入り込み、日本の各港に運ばれてきているというのが現在の状況なのだと推測できます。

―そのコンテナの輸入元は中国ですね。ネット上ではお決まりのように、中国人がわざとヒアリを紛れ込ませて…なんて陰謀論が一部で広がっていますが(苦笑)

寺山 単なるブラックユーモアでしょう。さすがに中国もそこまで暇じゃないかと…。日本への侵入はおそらく中国南部でヒアリが爆発的に増えるフェーズにきているからです。

―それはどういうことでしょうか?

寺山 主に広東省などの中国南部では、約10年前にヒアリの侵入を許し、これを受けて中国・農務省は根絶に向けた“8ヵ年計画”を打ち出しました。しかし、8年以上が経過した今、増殖は食い止められず、すでに定着してしまっているのが実情です。

米国の事例ではヒアリの侵入(初期段階)から30年後に生息数が爆発的に増え出した。中国ではまだ10年程度ですが、場所も変われば環境条件も変わるので、すでに大量増殖期のフェーズに入り、その一部が日本に侵入してきていると思います。

―中国はなぜ根絶に失敗したのでしょうか?

寺山 薬剤をまけば一時的に減りはするが、増殖能力が異常に高いヒアリでは、どこかに女王が生き残ればあっというまに数を回復させ、元の状態に戻ってしまう。一度定着してしまえば、現実的に根絶するのが難しいんです。事実、世界を見渡してもヒアリが増え出した段階で根絶に成功した事例は過去に一例もありません。中国も途中で諦めて、今はもう放ったらかしの状態ですね。海南(ハイナン)島では“週100人”単位でヒアリに刺された人が病院で治療を受けている状況にあるそうです。

―日本でも環境省を中心にヒアリ対策に取り組んでいますが、根絶は不可能だと?

寺山 日本の現状はまだまだ初期段階。この段階での根絶に成功したニュージーランドの例に倣(なら)えば、定着を食い止めることは十分に可能です。そのためには港湾エリアでの徹底的なモニタリング調査と、ヒアリやその巣が確認された場合には薬剤散布によって駆除するしかない。労力と予算が必要ですが、根絶にはこの“モグラ叩き”のような地道な作業を繰り返すしかありません。

また、供給源である中国に対しては、港周辺でヒアリの個体群を減らすなど、日本への侵入を水際で食い止める対策を要望する。日本政府には一刻も早い国家レベルの対応が求められています。


馬場ふみか2018カレンダーブック 10月18日(水)発売予定!

連載コラム

Column

    連載コラムを見る

    Back Number

    • No.41 Oct 9th 2017
    • No.39-40 Oct 2nd 2017
    • No.38 Sep 18th 2017
    • No.37 Sep 11th 2017

     

    Gravure Gallery

    もっと見る

    MOVIE Channel

    【動画】大原優乃 大反響! 元Dream5メンバーの王道グラビア

    もっと見る

    新刊のお知らせ

    • 週プレ グラビアスペシャル増刊 SUMMER2017
    • 『AKB48 水着サプライズ2017』
    • 週プレ グラビアスペシャル増刊 GW2017
    • 馬場ふみか写真集『ぜっぴん』
    • 内田理央写真集『だーりおといっしゅうかん。』

     

    プレイボーイコミックス

    メルマガ会員&アンケート 2017年No.41