週プレNEWS TOP ニュース エンタメ 主人公は大泉洋で“あてがき”した作家・塩田武士の野心作『騙し絵の牙』「大泉さんも『これカッコイイね』って…」

ニュース

主人公は大泉洋で“あてがき”した作家・塩田武士の野心作『騙し絵の牙』「大泉さんも『これカッコイイね』って…」

[2017年09月02日]

新聞記者から作家に転身した塩田氏

『罪の声』で2017年本屋大賞第3位を獲得した塩田武士の最新作『騙し絵の牙』は、企画、ストーリーの両方で「メディアミックス」を意識した、従来の出版業界の枠組みを飛び出すような野心作。最初から映像化を見据え、プロット創作の段階から作家と出版社だけでなく芸能事務所や俳優・大泉洋が参加し、さらにはストーリー内でも主人公は出版業界を揺るがす新たな枠組みを生み出していく。

物語の主人公、大手出版社に勤めるカルチャー誌『トリニティー』編集長の速水は、ユーモアでウィット溢れる語り口が魅力の“どんな人をも虜(とりこ)にする”不思議な男――。それもそのはず、速水というキャラクターは俳優・大泉洋を完全に“あてがき”しているのだ。お茶の間に愛される独特の口調からマニアックなモノマネまで盛り込み、読めば自然と大泉洋が動き出すイメージが浮かぶはず。

「雑誌の廃刊」「ネットへの移行」など出版業界の低迷をリアルに捉えたこの作品、これは他人事ではない!?と、作者の塩田武士さんに直接お話を伺うことに! 

主人公の速水同様、新聞記者から作家に転身し、綿密な取材で「社会派」作家として活躍する塩田さんに今回挑んだ新たなプロジェクトについて前編記事に続きお聞きしたところ、本が売れないと言われる時代に生きる作家としての覚悟が明らかに――。

* * *

―新聞記者は登場人物としてもよく出てきますが、当然、記者時代の経験は大きい?

塩田 すごく大きいです。サツ回り、裁判、芸能、囲碁将棋、クラシックなどいろんな記者クラブを経験して、あの10年の記者生活がなければ小説家にもなれていないと思います。僕は19歳から小説の新人賞に投稿をしていて、本当に動機が不純ですが社会勉強のために新聞記者になったんですね。だから最初の取材ノートから、作家になって読み返せるようにすべて目次入りで残してあって。ただ、字が汚くて4割ぐらいしか解読できないという(笑)。

―(笑)そういう意味で『罪の声』が構想15年かかったというのは、そのプロセスがあっての欠かせない準備期間だったわけですね。

塩田 そうですね。あの作品は自分の中で最大のテーマだったので、これでコケたら終わりだと思ってましたし、本当に信頼している担当編集者に「そろそろ社会に向き合って書くべきなんじゃないか」と言われて始まったんですけど、同時に「もう(作家生命が)危ないですよ、塩田さん」っていうプレッシャーもあって(苦笑)。連載の仕事は口約束なんで「こいつはアカン」となったら本当に一気に仕事がなくなるんですよ。

―出版業界だけでなく、作家という生業もシビアですよね…。

塩田 7作目の『氷の仮面』はすごく自信があったんですけど、その売れ行きがダメだった時に「いいものを書けば気づいてもらえる」という甘えは捨てないとあかん、創作も販売促進も100%考える厳しい時代に生きているんだなと。それは二律背反じゃないんですよね、「銭勘定が卑しい」という時代は終わってるので。だから『罪の声』ではどの層に読んでもらうかも決めていたし、どう展開を仕掛けるかも出版社と一緒にやっていきました。

今は読者にとって、選択肢が昔と全然違うと思うんです。同業のライバルというより、時間の奪い合いになっている。SNSやスマホのコンテンツからどうやって時間をいただき、単行本のために1600円払ってもらえるかということなんで。

―では、自分の中でもマネジメント的な頭もあって、大泉さんで『ダ・ヴィンチ』で連載という形だといろんなことがハマるなと、ある意味、計算みたいなものも?

塩田 それもあったんですけど、実はまずこの企画って、担当編集のMさんが2013年に持ってきてくれたんです。4作目の『崩壊』の発売の後ぐらいで、僕が全く売れてなくて注目も浴びていない、箸にも棒にもかかっていない時に信じてくれて、彼女の最大のネタを持ってきてくれたというのもひとつ大きくて。

本当にもう運ですね。何かが動く瞬間って磁場みたいなものが発生してスーッと人と事柄が寄ってくるみたいな感覚があって、それはまさにこの時もそうで。

まず、『ダ・ヴィンチ』という漫画や音楽まで幅広く扱う媒体での連載で、文芸村の僕が全く付き合ったことのない、いわゆるアウトサイダー的な編集者が担当してくれたのもそうですし。まぁ、最初に「大泉さんであてがきしてほしい」と言われた時は、僕も芸能記者の時にその難しさは経験していたし、わざわざ京都まで来てとんでもないほら吹きやなと思いましたけど(笑)。


週プレ酒場のCMはこちら!

連載コラム

Column

連載コラムを見る

Back Number

  • No.52 Dec 25th 2017
  • No.51 Dec 18th 2017
  • No.50 Dec 11th 2017
  • No.49 Dec 4th 2017

 

Gravure Gallery

もっと見る

MOVIE Channel

【動画】華村あすか、2017年最高のシンデレラ。

もっと見る

新刊のお知らせ

  • 『乃木坂46×週刊プレイボーイ2017』
  • モーリー・ロバートソン『挑発的ニッポン革命論』
  • 馬場ふみか2018カレンダーブック
  • プロ野球プレイボーイ2017
  • 『伊東紗冶子ファースト写真集 SAYAKO』

 

プレイボーイコミックス

メルマガ会員&アンケート 2017年No.52

ミスグラジャパ!グランプリ選出!! 最終WEB投票受付中!!