ドラマの視聴率で叩かれる役者さんも災難です

女優・真木よう子のツイッターアカウントが8月29日時点で非公開→削除の状態に。真木は6月28日にツイッターアカウントを開設。自身が主演のドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)に関するツイートなどを精力的につぶやいていた。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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真木よう子さんがツイッターで主演ドラマの視聴率不振に触れた件がいろいろと話題になりましたが、このほど、自身のアカウントを削除。ドラマの件と無関係ではないとみる向きも多いようです。

それにしてもドラマの視聴率で叩かれる役者さんも災難です。ドラマに限らず、スージが取れない誰々、という表現はもはやお馴染みに。

視聴率は、テレビ局がスポンサーに売る「時間」に値段をつけるための指標。そんな企業の営業用の数字が「芸能ニュース」になったのは90年代からでしょうか。『TVおじゃマンボウ』(日本テレビ)の視聴率ランキング、懐かしいです。発表された視聴率を記事にすればいいのですから、ゴシップ誌も楽チンですよね。結果、視聴者が広告主の視点で番組や出演者を評価するのが当たり前に。

でも、視聴率って本当に「ニュース」なのかな? 好きな番組や出演者をスージで決める人はいないでしょう。スポンサーのための指標は大事ですが、見ている人との関係までそれではかられてしまう歯がゆさを真木さんだけでなく、多くの制作者や出演者が感じているのかも。

小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。「真木さんの出演作では是枝裕和監督の映画『海よりもまだ深く』が大好きです。阿部寛さん演じる主人公の元妻役。家族がテーマの中年なら誰しも胸が切なくなる作品です」