「ウランだけの小惑星に原子力ロケットを持っていって、燃料供給をするプラントを造りたい」とホリエモン

NASAが有人火星探査用の宇宙基地を造るプロジェクトを計画しているという。

そこで、『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、“ホリエモン”こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、前編に続き、人間が宇宙を目指す理由について議論する!

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ひろ ということで、これからもおかしなことを始めたり、未知の世界を冒険する人はいるってことなんですね。んで、今回のテーマになってる火星探査ですけど、おかしな考えではなく、惑星を探査する理由ってなんなんですか?

ホリ ひとつには「鉱石採取」とかがあるよね。例えば、月に行って鉱石を採取しようとする人たちがいるけど、実は月には鉱石が濃集されてないんだよ。

ひろ それはなんでですか?

ホリ 月には水とか火山がほとんどないから。だから俺は、月派じゃなくて小惑星派。

ひろ その理由は?

ホリ 小惑星って惑星がバラバラになったようなものなんだけど、「鉄とニッケルだけの小惑星」とかが実際にあるわけ。で、俺が期待しているのはウランが塊になって存在している小惑星。

ひろ それが存在する可能性はあるんですか?

ホリ 地球の熱源はウランの熱核分裂だっていわれているでしょ? 一番重い元素が中心部に集中して、それが自然崩壊して核分裂を起こしているんじゃないかって考えられている。だから、惑星が何かのきっかけでバラバラになったときに、ウランだけになった小惑星があってもおかしくはないわけ。

ひろ ほうほう。

ホリ ちなみに、6700万年前に恐竜を絶滅させた隕石(いんせき)はイリジウムの塊だといわれているんだよ。メキシコのユカタン半島にクレーターが見つかっていて、それがイリジウム層なんだよね。

ひろ いろんな鉱石やレアメタルがあるなかで、堀江さんがウランの小惑星を期待するのはなんでですか?

ホリ そういう星があったら、そこに原子力ロケットを持っていって燃料供給をするプラントを造ろうと思っているの。原子力ロケットって、今の何十倍もの比推力が出るから、そうすると太陽系の外とかにも行けるようになる。

太陽光エネルギーは距離が離れたら取れなくなる

ひろ エネルギーなら太陽があるじゃないですか。なので、そこまでこだわらなくてもいいような気がしますけど。

ホリ 太陽光エネルギーは距離が離れたら取れなくなっちゃうじゃん。それこそ太陽系の外だと厳しいでしょ。だから俺は小惑星に期待しているわけ。

ひろ なるほど。

ホリ 宇宙にはとにかくいろんな可能性があるから、今後もいろんなニュースに注目していきたいよね。

ひろ それこそ、堀江さんのロケット開発にもですね。

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『ソーシャルメディア絶対安全マニュアル』(インプレスジャパン)