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シーシェパードの標的となった女性映画監督が、太地町を巡る問題作『おクジラさま』を撮った理由

[2017年09月08日]

映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』の監督で同名小説も執筆した佐々木芽生さん

和歌山県太地町は、イルカやクジラの追い込み漁を糾弾した映画『ザ・コーヴ』がアカデミー賞を受賞して以来、活動家の攻撃ターゲットとなった。その太地町を舞台にした長編ドキュメンタリー映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』9月9日から公開される。

カメラが映し出すのは、“残酷な”漁を撮影してはSNSで発信するシーシェパードと、古式捕鯨発祥の地として400年以上続く伝統を守ろうとする太地の漁業組合。そしてたった一度だけ両者が同席した“対話集会”。さらに、太地町在住の米国人ジャーナリストや街宣車で呼びかける政治団体会長など様々な視点を捉えている。

監督はNY在住の映像作家・佐々木芽生(めぐみ)。映画だけにとどまらず、書籍版『おクジラさま ふたつの正義の物語』(集英社刊)も手がけるというエネルギッシュな活動ぶりだが、一体どんなジャンヌ・ダルクなのかとお話を伺うと、普段の素顔はよく笑いよく喋るオネーサマ!

20代でNYに渡るなど、さすがバブル世代という勢いのよさだが、制作の根底には長年のアメリカ生活で感じた違和感も。「捕鯨を守る日本人と許さない外国人」という二項対立にとどまらない新たな視点を提供する今作について、制作の動機からグローバルな日本の立ち位置まで幅広く伺った!

* * *

―『おクジラさま』を撮るきっかけは、『ザ・コーヴ』の誤解を招く表現や一方的な視点への怒り?

佐々木 怒りというより「どうしてこうなっちゃうのかな?」という疑問ですね。それに、日本側から何も反応が聞こえてこないもどかしさもありました。それに制作者側が自分たちを英雄視して「悪者を成敗してやろう」という姿勢なのも疑問でしたし…。アカデミー賞も獲るような見事な映画ですが、出資者からの数億という膨大な制作費に物を言わせてハリウッド中からスタッフを集めているし(笑)。

―『おクジラさま』の制作資金はどうされていたのですか?

佐々木 それはもう本当に大変でした~。クラウドファンディングと助成金、あとは個人の支援者の方からの寄付をいただいたりですね。NYの家も抵当に入ってるし、まだ借金がありますけど(苦笑)、まぁ私はそんなにお金がなくても暮らしていけちゃうんで(笑)!

―『ザ・コーヴ』陣営がすごく強力な武器を使う一方で、『おクジラさま』陣営は正座してお茶を立てているような、控えめな凛々(りり)しさがあるというか。

佐々木 あはは! その表現いいですね。

―同じ漁師が出演するだけでなく、太地町のお祭りの風景など同じ場面も使われています。それは意図的に?

佐々木 そうですね、同じ素材でも切り取り方によって全然見え方が違うというのは、皆さんにわかってほしいと思いましたね。敷地内の撮影を断ろうとして“プライベート・スペース”と異名を取った漁師の〆谷和豊さんも普段はあんなに怖い人じゃなくて、優しくてむしろ穏やかな人。この人があそこまで怒るとは、振る舞いがよっぽどだっだんだろうなと。

―太地町の漁師さんはあの映画で一躍有名になったとはいえ一般の方ですし、よく出演してくれましたね。

佐々木 それは大変でしたね。ただ、本当に気の毒だなって。漁師さんたちは魚を捕るのが仕事なので、当然、カメラの前で話すことには慣れてない人ですよね。それなのにあの映画によって、のどかな小さな町がある日突然、世界の攻撃のターゲットにされたことが悲劇で。不公平というか恐ろしいなと思います。

―そういう佐々木さんもある日、突然シーシェパードの創立者ポール・ワトソンに名指しで批判声明を出されるという災難も…。

佐々木 そうなんですよ(苦笑)。今となってはむしろ名誉なことだと思っています(笑)。


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