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環境省の絶滅宣言が“絶対”ではない! 九州のツキノワグマもニホンオオカミも生き残っている?

[2017年09月12日]

―ニホンオオカミの調査はどうですか?

宗像 見つけようと奮闘しているのは個人ですね。「いない」動物を探そうとする人は周りからは例外なく「変なおじさん」扱いですが(苦笑)。例えば、NPO法人「ニホンオオカミを探す会」(以下、探す会)代表や元高校校長がライフワークでニホンオオカミを探してますが、すごい情熱です。探す会代表は40年以上も探していて、埼玉・秩父の山に50台以上の赤外線カメラを設置しています。

―今現在、どんな情報が集まっているのですか?

宗像 探す会には、紀伊半島、秩父、九州などから69件の目撃情報や遠吠えを聞いたとの情報が寄せられています。1996年には探す会代表が秩父で、2000年には元校長が九州で撮影に成功していて、当時、報道もされています。

―それはニホンオオカミと断定されたのでしょうか?

宗像 ふたりの写真を鑑定した分類学者の権威、今泉吉典先生は、それぞれ「可能性がある」「ニホンオオカミそのもの」と評価しました。そしてふたりが写真をマスコミに公開したのは、ニホンオオカミの調査と保護を望んだからです。でもそうならなかった。多くの学者が否定し、一般人からも「飼い犬だ」とバッシングされたんです。報道嫌いになった元校長は、最初僕の取材を受けませんでした。

―宗像さんが絶滅動物の取材を始めたきっかけはなんですか?

宗像 『オオカミの護符』(新潮文庫)というオオカミ信仰のルポを読み、面白いなと情報を集めたんです。そして軽い気持ちで探す会代表に会いに行ったら「これ読んでから来て」と資料をどっさり渡されて……。それから目撃情報の現場に出かけたりとのめり込むんですが、取材を重ねるほどにニホンオオカミがわからなくなってきました。

―と言いますと?

宗像 何をもってニホンオオカミとするのか、という定義が人によって違うのです。今泉先生はニホンオオカミのタイプ標本を基にして、先ほどのふたりの写真に写っている動物を「ニホンオオカミそのもの」と判断しています。しかし、そもそもタイプ標本自体、ニホンオオカミと呼ぶべきなのかどうか、論争は今も続いているのです。

―これといえる断定方法は?

宗像 頭骨に特徴があります。でもそれを確認するには個体の捕獲が必要になります。あるオオカミ探索者は、車の前にオオカミらしき動物が現れたとき、「これをひき殺せば」と思ったこともあるそうです。

―著書で面白かったのは、宗像さん自身が3年前、とうとう目撃者になったことです。

宗像 オオカミ神社として有名な秩父の三峯神社では、3年前、探す会によるフォーラムが開催されましたが、閉会後のクルマでの帰路で見てしまいました。灰色で耳が立ち、体の割に足が短い。ニホンオオカミと断言できませんが、それまで取材で仕入れた情報から判断するに、明らかに犬ではない。フォーラム参加直後に見たなんてできすぎですよ。僕も「変なおじさん」の仲間入りです。


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