2016年「Rー1ぐらんぷり」優勝のピン芸人。YouTubeチャンネルに「ゲームふきかえのコーナー」「ドラクエの敵ものまね」などを公開するほどゲーム好きのハリウッドザコシショウさん

あの「スーパーファミコン」がえりすぐりの21作品を本体に収録したミニサイズで「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン(以下、ミニスーファミ)」として、復活する!

その再誕を記念して、ゲーム好きで知られる芸人が本家とは異なる“俺のミニスーファミ”21作品を厳選してくれた。 前編のアルコ&ピースに続き、ハリウッドザコシショウさんが登場!

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スーファミが発売された1990年当時、高2(16歳)だったというハリウッドザコシショウ(以下、ザコシ)さん!

―スーファミの第一印象は?

ザコシ 言っちゃ悪いけどファミコン後期って悪あがきのクソゲーばっかだったんで、スーファミの登場で業界がビシッと締まりましたよね。特に『スーパーマリオワールド』『F-ZERO』『パイロットウイングス』あたりの初期作はすごかった。ほぼほぼ全部アタリでしたよ。

―確かにザコシさんの“俺のミニスーファミ”21本には、初期作がたくさん選ばれていますね。

ザコシ 発売してすぐ買ったもんだから、「おまえんちスーファミあるらしいな」つって、自宅が不良のたまり場になったっていう。

ハリウッドザコシショウが厳選したベスト21本

―な、なるほど。野球ゲーが2本、プロレスゲーが3本入っているのもザコシさんらしい。

ザコシ 『スーパープロフェッショナルベースボール』はジャレコですからね。ファミコンの『燃えプロ(燃えろ!!プロ野球)』の流れをくんだ野球ゲーなんで、当然名作ですよ。えぇ、僕の場合は王道の『ファミスタ』より『燃えプロ』、王道の『パワプロ』より『スーパープロフェッショナルベースボール』ですね。

『2020 年スーパーベースボール』は頭おかしいヤツが好きになる野球ゲー。若手時代、ケンコバ(ケンドーコバヤシ)とずっとやってました」

―もうひとつの『2020年スーパーベースボール』というのは……未来の野球ゲー?

ザコシ そうですね、近未来が舞台です。野球ゲームとしては普通にちゃんとおもしろいですよ。ただ、賞金で強化アーマーが買えたり、ロボットの選手が出てきたりはしますけど。

―全然普通じゃない。

ザコシ ロボはぽんぽんホームラン打てるんですよ。すると対戦してるケンコバ(ケンドーコバヤシ)が、「カネにモノいわせてんじゃねぇ、人間出せ!」とか言いがかりをつけてくるという。

『スーパーストⅡ』のリュウの負け顔がよかった

―一方、『ファイヤープロレスリング(以下、ファイプロ)』シリーズは2作も選抜入り。

ザコシ 僕のなかで、スーファミ=『ファイプロ』と言っても過言ではないですから。当時、芸人のなかでもめちゃくちゃはやってましたし。ケンコバもやってましたけど、なだぎ(武)さんがすごくうまくてね。普通、技を出すには、まず相手と組んでいったん腰を落とすんですけど、なだぎさんの場合、コマンド入力が超速くて、腰を落とさないで技キメてくるんですよ! もうなだぎさんに勝ちたくて勝ちたくてずっとやってました。

―『大仁田厚 FMW』とは?

ザコシ これはやり込みましたね。1日だけやり込みました。

―1日だけ?

ザコシ まぁ1日あれば余裕でクリアして、極められるぐらいのゲームだったんで。大仁田厚とか数人は本物のレスラーが出てるんですけど、敵キャラがジャントニオ・イノバとかキラー・マーシャルボーグとか、そーゆーワケわかんない架空のレスラーなんで、もうやる気起きなくて。『ストⅡ』がはやったからって、なんでもかんでも横視点にしちゃダメですわな。

―『ストⅡ』といえば、本家ミニスーファミにはグレードアップ版の『スーパーストリートファイターⅡ』が入っているのに、なぜあえて『ストリートファイターⅡターボ』を?

ザコシ 単純に『ストⅡターボ』が一番好きだから。『スーパーストⅡ』は、竜巻旋風脚の軌道がなんか滑らかになっちゃってるんですけど、僕は『ストⅡターボ』までのカクカクした動きが好きだったんですよ。

でも一番の理由は、『スーパーストⅡ』のリュウの負け顔(敗北時のバストアップ絵)かな。『ストⅡターボ』は劇画調で、殴られて顔が腫れて鼻血も出しててリアルなんですよ。対して、『スーパーストⅡ』はアニメのイケメンみたいになってて、負け顔のくせに汗をちょろっと流したぐらいでイイ顔してて。何をキメ顔してんだと。萎(な)えましたね。

「僕から言わせると本家に入ってる『スーパーストⅡ』は進化しすぎ。この『ストリートファイターⅡターボ』の“粗さ”がよかったんだ」

―余談ですが、『ストリートファイターⅡ』を「ゲームふきかえのコーナー」(YouTubeにて公開中)でやっていましたよね。

ザコシ あれね、完成したとき、達成感と充実感はありましたよ。ただ、音の数が多かった……。ファミコンなら3音だから3回録音すればいいんですけど、スーファミは5音ぐらいあるから作業量がほぼ倍で……。スーファミすげぇなって、最近、改めて実感した瞬間でしたね。

(今回の企画に直接関係ないが)これが噂の「ドラクエの敵ものまね」! 右がゴースト、左がボストロールだ!

(取材・文/昌谷大介[A4studio] 撮影/下城英悟)

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