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デング熱はいつ再流行してもおかしくない──研究者が明かす「蚊の厄介な吸血行動」

[2017年09月20日]

デング熱ウイルスを媒介するヒトスジシマカ

人間にとって厄介な習性を持つがゆえに敬遠される虫たちのアッと驚く生態を、第一線の研究者たちが愛を込めて語り倒すこのシリーズ。ダニ編アリ編に続き、ラストを飾るのは“嫌われ虫”代表の蚊――。

今回の語り部は、著書に『蚊のはなし』(上村清・編、朝倉書店)がある、害虫防除技術研究所の白井良和代表。学生時代から約25年、蚊の生態を追い続けている人物だ。

―蚊博士こと白井先生、今日はよろしくお願いします!

白井 ……さすが週プレさん。

―はい?

白井 今日(取材日)は8月20日。ノーベル生理学賞を受賞したロナルド・ロスがハマダラカの胃の中にマラリア原虫を発見した日、『世界モスキートデー(蚊の日)』じゃないですか。それに合わせて来たんでしょ?

―も、もちろんです(そうだったのか…)。

白井 いやぁ、素晴らしい。今日はなんでも聞いてくださいね。

―は、はい! まず蚊といえばデング熱。2014年に代々木公園で発生して東京はパニックになりましたが、その後、パッタリ聞かなくなりましたね。

白井 国内でデング熱を媒介するのは夏に頻繁に目にするヒトスジシマカで、ウイルスが体内に入り込むと稀(まれ)に重症化し、死に至ることもあります。14年には約70年ぶりに国内流行しましたが、それ以降、国内で感染した例はありません。

―もう感染の心配はないと?

白井 いえ。国内での感染は報告されていませんが、海外に渡航した人が感染し帰国する例が毎年200件程度発生し、近年は15年292件、16年343件と増加傾向なんです。蚊がウイルスをほかの人に媒介すれば、感染はすぐに広がります。国内外で人の往来が激しくなっているなか、いつ再流行してもおかしくない状況だと思いますね。

―蚊って厄介ですね。今年の夏も“プーン”という耳障りな音に何度か起こされましたし…。

白井 安眠を妨害するのはアカイエカの仕業です。彼らは夜間に活発に飛び回って休息している動物を探す、探索型の吸血行動を持ちます。日没後間もなく活動を開始し、就寝中の人が耳元に近づく羽音に気づいて電気をつけると姿を隠し、電気を消すと再び襲ってくるという活動リズムを持っています。

―また厄介な習性だなぁ。

白井 アカイエカやヒトスジシマカは秒速560回という速さで羽を羽ばたかせるので、音が高いんです。一方、水田などにいるハマダラカは体が比較的大きく、“ブーン”という低い音で羽ばたきます。

★この記事の続き、後編は明日配信予定。“蚊はなぜ、人間の血を好むのか”という謎に迫ります。

(取材・文/興山英雄)

害虫防除技術研究所代表の白井良和氏。虫よけ剤の開発や蚊捕獲器の試験などを行う

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