SMAPとアムロちゃんが出した答えは、解散と引退でした

安室奈美恵の電撃引退発表、ジャニーズ事務所を退所した元SMAPの3人が新サイト『新しい地図』を立ち上げるなど、先月の芸能シーンは話題が豊富だったがーー。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に独自の視点で斬り込む!

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私の周囲の40歳ぐらいの男女がざわついています。アムロちゃんが引退と聞いて「自分はこの年になるまで何も成し遂げられなかった…」と焦りを感じているのです。

一方で、45歳くらいの人たちは、ちょっと元気になったみたい。元SMAPの3人が発表した『新しい地図』のメッセージに励まされたのです。いろいろなしがらみから、もう自由になっていいんだよ、と。中年でもやり直せるということに希望を感じた人も多いでしょう。

40代は仕事の実績に差がつき、将来も具体的に見えてくるお年頃。いわゆる中年の危機に陥りがちな年代です。このままでいいの?という問いに、SMAPとアムロちゃんが出した答えは、解散と引退でした。

90年代は、若者が時代の中心でした。忙(せわ)しなくて能天気で、やがて憂鬱(ゆううつ)に覆われたあの10年。こんな未来が来るとは思っていなかったけれど、どっこい今日も生きている。

安室さんもSMAPも、きっとこれからすてきな中年のロールモデルになるでしょう。今までの誰とも違う彼らは、幸せのお手本を見失った世代のよりどころなのだと思います。

小島のひとり言アムラー全盛期の頃は、とにかく細い眉毛が基本でした。その頃の写真を見ると私も驚くほどの細い眉。その後、きっちり手入れされた美眉時代を経て、今は野生です。

小島慶子(こじま・けいこ)タレント、エッセイスト。テレビ、ラジオ出演や執筆、講演とマルチに活動する、日豪往復生活。近著に『ホライズン』(文藝春秋)『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(講談社)など