バイトで知り合ったカップルの思い出の味

こんな彼女にごはんを作ってもらいた~い! 男の妄想を写真で叶えるミニドラマ『パジャマレシピ』。お料理おねえさん・大森麻里が、朝と夜の毎回違ったシチュエーションでアナタの彼女を演じちゃいます。

彼女が語りかけてくるor彼女に語りかける…それぞれの恋愛シチュエーションをその日によって体感ーー。紹介するレシピは朝晩のメイン食材は同じでコンビニでも買えるもの。簡単&クイックメニューで料理の幅も広がって、恋愛ムードを楽しみながら女子ウケしそうな料理男子にもなれちゃうぞ!

大学時代のバイトで知り合ったふたりは、社会人になって4年経った今も仲良しカップル。彼氏のOくんが家に泊まった、イベントのない日曜日の朝にふとバイト時代の話になって…当時、バイト仲間で人気だったまかないゴハンを再現してみることに!?

「先週、忙しくて疲れてたみたいだけど、ゆっくり眠れた?」彼女と知り合ったのはお互い19歳で、寿司店のバイト仲間同士。俺は回転寿司じゃなくて職人がちゃんと握ってくれる店で寿司を食べてー!って不順な動機だったけど、バイト仲間が楽しくて大学卒業するまで続けて。後輩として入ってきた彼女の指導係をしてたら惹かれちゃって、でも言い出せずにずっと片思い…で、付き合いだしたのは知り合ってから2年後。

「私? ちゃんと眠れたよー。Oくんのいびきがうるさかったけど」笑いながら彼女が”いびき”の話をするのは、お泊まりした朝の定番。付き合ってからの4年間、ずっと言ってくるんだけどさ。

「とりあえず息してるのはわかるから、生存確認的なことでいいんじゃない」また笑いながら彼女は言うけど、男友達だって「迷惑だ」ってマジぎれする俺のいびきを受け入れてくれるんだから、相当な物好きっていうか。

まあ、俺にめっちゃ惚れてるんだろうな…なんて、今では優越感にひたってみるけど。でも、付き合うまですごい彼女を大事にしたし。今だってそう。時間がかかった分、信頼も厚いってことで!「……何、ニヤついてるの? 喉かわいたー」はいはい。いつものオレンジジュースね(笑)。

来月、付き合って4年目になるふたりは…

「そういえば、来月で付き合って4年になるでしょ?」たまには記念に旅行でもいきたいよねー、なんて話をして。4年前の彼女はショートカットで元気な感じで、今よりもっとはっちゃけてた。でもそれなりの歳になって、いろいろ考えてることもあるはず。

でも、生活に手いっぱいで、まだまだ旅行する余裕もなぁ…てのは、彼女もわかってること。「4年か……あっ、なんか今、まかないで食べた味思い出しちゃった~。さんまの炊き込みご飯っ!」話題を変えてくれたのかな。でも、俺も思い出した。秋になると1回は板チョーが作ってくれた、絶品まかないメシだ。「朝ごはん、それ作らない?」

作る気まんまんになった彼女だけど、でも肝心なことを忘れてる。冷蔵庫にさんまはないんじゃ…。「たぶん、アレで作れると思うんだよね」ん…アレ?

ストック食材で思い出の味を再現できる!?

ニヤニヤしながらキッチンに行った彼女は、米を洗って炊飯器にセットしてから戸棚の中を何か探し始めた。「生姜の千切りしておいてくれる?」ハイハイ、と動く俺。料理するとなったらテキパキするのは、バイト時代に培ったふたりの阿吽(あうん)の呼吸ってやつ。

「あった♥ 絶対、これで同じような味が出せると思うんだ」って、それ、さんまの蒲焼き缶だろ…?やっぱ、あの味は生で特別で、それもプロの目利きと炊飯テクニック、しかも大きい釜じゃないと出せないと思うんだけど。

「ちゃんとした味になるか、疑ってるでしょ? 最近の缶詰は侮れないよ~。しかも蒲焼き味と思いきや、これは塩焼きなの。とりあえず作ってみようよ」結論から言うと…缶詰の美味しさに俺は脱帽。これももしかして、いつか思い出深いエピソードになるかも?自分以外の誰かと過ごす時間って、積み重ねるごとに増えていく思い出を共有できることなんだよな、なんて思いながら。やっぱり、4年目の記念にちょっと無理して近場の旅行でも…う~ん。

■恋愛レシピ45 さんまの炊き込みご飯(材料/2合分)さんまの塩焼き缶…1缶米…2合Aみりん…大さじ2A酒…大さじ2A顆粒だし…小さじ1A塩…小さじ1/2しょうが(千切り)…1片分三つ葉(食べやすい長さに切る)…1束ごま…適量山椒…少々

(作り方)1.炊飯器に研いだ米、A、2合の目盛までの水(分量外)を加えて軽く混ぜる。さんまの蒲焼、生姜を加えて炊飯する。2.炊き上がったら、ごま、三つ葉、山椒を混ぜる。

出演:大森麻里 オフィシャルサイトhttps://mariomori.amebaownd.com/

撮影:唐木貴央、早川善博(料理) ヘアメイク:大田奈々恵 編集協力:渡邉裕美