iPhone 6sが発売されたのは約2年前。それでもまだまだ使える高性能スマホだ。2年縛り明けユーザーはこのまま使い続けるのもアリ!?

iPhone 6sの2年縛り明けが間近! 新型iPhone 8に飛びつく前に、月々のコストをがっつり下げられる格安SIMも検討してみては?

■格安SIMにして6sを使い続ける!

iPhone 8/8 Plusが発売され、約2年前に購入したiPhone 6s(2015年9月発売)の「2年縛り」が明けるユーザーにとっては、機種変更やMNPを考えるタイミングだ。しかし、6s(16GB)を愛用している20代の会社員Aさんは頭を悩ませている。

「確かに新しいiPhoneは魅力です。でも今使っている6sに大きな不満があるわけじゃない。2年たって、6sの分割払いがようやく終わるのに、またこれから……ってなると、ちょっと躊躇(ちゅうちょ)してしまって」

Aさんの現在の月額料金は、分割支払い金(3888円)+カケホーダイライト(1836円)+データMパック(5400円)+spモード(324円)の合計1万1448円から、月々サポート2808円を引いた8640円。そのままドコモのiPhone 8(64GB)に買い替えると分割支払い金は3699円とやや減るものの、月々サポートは2376円に縮小され月額8883円になるのだ。

「下取りプログラム」といった負担軽減策も用意されているとはいえ、「スマホ代で月に1万円近く持っていかれるのはデカイ。どうしたらいいのか……」(Aさん)

仮に、Aさんがドコモで6sを使い続けたとしても、月々の負担は大幅に減るわけではない。それは月々サポートがなくなるためで、同一プランなら7560円になる。何かいい方法はないのか?

「今すぐ格安SIMへの乗り換えを検討すべきです!」

こう提案するのは、スマホの料金事情に詳しいフリーライターの後藤一泰氏だ。

「格安SIMとは、大手キャリアの回線(多くがドコモ)を事業者が借りて販売するSIMカードのこと。料金はキャリアに比べ大幅に安く設定されています。それにドコモのiPhone 6sに、ドコモの回線を使う格安SIMを使うのであれば、『SIMロック』の解除も不要です」

では、実際にはどのくらいの料金節約ができるのだろうか? 後藤氏にオススメのプランを聞いてみた。

「IIJのIIJmioは、高速通信が3GB分と音声通話が使える『ミニマムスタートプラン』で月々1728円から、同じく6GB分の『ライトスタートプラン』で2397円からとなっています。DMMモバイルは『通話対応SIMプラン(3GB)』で1620円、『同(5GB)』で2062円です。もちろん両者とも、ドコモからのMNP転入が可能です」

か、かなり安い!! まあ、通話時間や回数など使い方によって支払い額は変わるため一概に言えないが、格安SIMなら8に機種変更するよりも7千円前後、月額料金を抑えることが可能になる計算だ。これは大きいぞッ!!

SIMロックを解除するメリットとは?

■SIMロック解除もやっておこう

落とし穴はないのか?

「お昼時や夕方など、スマホの利用者が多くなる時間帯は回線速度が低下しがちです。それに多くの格安SIMでは『通話定額プラン』を用意していないため、通話が多い人は通話アプリを使うなどして節約しないと安さのメリットを十分に受けられないでしょう。もちろんキャリアショップのような手厚いサポートもありません。またMNP転入の手続きに時間がかかり、数日間スマホが使えなくなることもあります」(後藤氏)

なるほど。そうした条件をのめる人なら、格安SIMに乗り換えるメリットは大いにあるというわけだ。ところでドコモ以外、auやソフトバンクのiPhone 6sのユーザーには、こうした節約術は使えないのか?

「いえ、使えますよ。6sは歴代のキャリア版iPhoneで、初めて公式に『SIMロック解除』、つまり手続きすることで他キャリアのSIMの利用が可能になったモデルなのです」(後藤氏)

そ、そーだったんですね! 具体的にはどうすればいいの? 手数料はかかる?

「これは大手3キャリアとも、インターネット経由で手続きすれば無料です。ただ、端末の製造番号(IMEI)を調べて送信するなど、その手続きは人によっては複雑に感じるかもしれません。不安な人は各キャリアショップで手数料(3240円)を支払い、ロックを解除してもらうといいでしょう。なお解除には、購入から一定の期間がたっていることやネットワーク利用制限がかかっていないことなど、キャリアごとに細かい条件があります。このあたりはキャリアにお問い合わせください」(後藤氏)

SIMロック解除の手続きは『My SoftBank』など、キャリア指定の専用サイトからも可能。自分でやれば手数料もかからない!

ところで、大抵の格安SIMが使えるドコモの6sは、SIMロックを解除するメリットってあるの?

「あります。例えば海外でiPhoneを使う場合です。SIMロックを解除していない6sは、そのまま国内キャリアの海外利用プランを使うしかなく、一部のキャンペーンを除けば国内利用よりも割高になります。しかし、SIMロック解除した6sなら、現地で販売されている旅行者向けの格安のプリペイドSIMを利用できるため渡航地域によってはとても割安になります。

またSIMロック解除したiPhoneは、買い取り業者に売却するときに5千円程度プラス査定になることがあります。今、6sを使っている人は忘れずにやっておいたほうがいいでしょう。解約から一定の期間だけしかSIMロック解除の手続きができないドコモやソフトバンクの6sでは、特にオススメです」(後藤氏)

これから年末にかけて、6sの「2年縛り」が明ける利用者はたくさんいるはず。そのとき格安SIM乗り換えの決断をスムーズにするためにも、今のうちにSIMロックの解除を忘れずに!

※プランや料金、条件などはすべて9月28日時点のものです。

◆『週刊プレイボーイ』43号(10月7日発売)では、「格安スマホ業界再編で通信料金はどう変わる!?」を掲載。こちらもお読みください!