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安倍自民が議席激減でも、総選挙後は「改憲派」多数に? 有権者の想いと乖離する「現実の政治」

[2017年10月12日]

─その「何か新しい展開」が、わずか数週間前には公式に存在すらしなかった希望の党への合流だというのは、さすがに驚きました…。

メスメール 希望の党が誕生したのは突然でしたが、現実にはかなり前からその準備は着々と進められていたのだと思います。あっという間に政局の中心に躍り出たことは確かに驚きですが、それは本当に「小池百合子がクレバーだから」だったのか、それとも単に「彼女がラッキー」だったのか…。僕は個人的に「ラッキーだった」部分も大きいように感じています。

「都民ファーストの会」を立ち上げ都議会選挙でも圧勝した小池氏は確かに勢いと人気がありましたが、そうした人気も現実には東京近辺に限られたもので、国政に打って出るためには「組織」も「お金」も「人材」もない…というのが現実だったはずです。

ところが今回、突然の解散総選挙で「国政進出」が予定より前倒しになり、そこへ内部の混乱を抱えて「何か新しい展開」を求めていた前原氏の民進党が、小池新党の「新しさ」と「人気」に深い考えもなく飛びついたことで、彼女は一瞬にして組織やお金や人材を手に入れることに成功したわけです。

そう考えると、希望の党と前原・民進党の合流はある意味、「ウイン・ウインの関係」だと言うこともできるわけですが、それはもちろん「彼らの個人的、政治的な動機」に照らしてということであって、ここでもやはり、民進党を支持してきた多くの有権者たちの想いからは大きくかけ離れてしまっている。こうした一連の動きは「民進党の実態がいかにメチャクチャであったか」を物語っていると思います。

─フランスでは今年、エマニュエル・マクロン大統領率いる新党「共和国前進」が大旋風を起こし、既存の政党に取って代わる存在となりましたが、小池氏の希望の党はこの先、そのような存在になれるのでしょうか?

メスメール 僕は小池氏の希望の党とマクロン氏の共和国前進は「新党」ということを除けば、全く異質なモノだと思います。第一にマクロンの共和国前進は草の根の市民運動から広がった動きですが、小池氏の希望の党はそうしたボトムアップの流れではありません。また、マクロン氏がほんの数年前まではフランス政治の世界で「全くの無名」だった人物で、彼自身の存在が「若さ」「新鮮さ」の象徴でもあるのに対し、小池氏は長年にわたって日本の複雑な政治の世界を渡り歩いてきた人物であるからです。

政策的に見れば、希望の党は改憲などで安倍政権の考え方にも近い「保守派」ですし、その希望の党に合流を許された民進党候補もそうした政策的な条件を受け入れた。その結果、「改憲」という点に限れば、今回の選挙で自公・与党の議席が減っても、それを公約に掲げる希望の党や維新の会を加えれば、改憲発議に必要な衆議院の3分の2の議席は十分に確保できる…という読みが、安倍首相にはあるのだと思います。

もちろん、今後、枝野氏が立ち上げた立憲民主党がどの程度の影響を与えるのかにもよりますが、現実的に考えれば総選挙後の衆議院で「改憲派」が多数を占める可能性は高く、憲法9条改正に向けた動きがさらに進むことは、おそらく避けられないでしょう。しかし、世論調査などを見る限り、国民の多くが現時点で改憲を強く望んでいるとは思えません。そして、ここでもまた、多くの有権者の想いと「現実の政治」との乖離(かいり)が広がっていくのでしょう。

(取材・文/川喜田 研 撮影/長尾 迪)

●フィリップ・メスメール
1972年生まれ、フランス・パリ出身。2002年に来日し、夕刊紙「ル・モンド」や雑誌「レクスプレス」の東京特派員として活動している


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