豊田候補は「みじめ」「恥」「たったひとり」などのキラーワードを連発

突然の解散風、華々しく登場した希望の党、その後の民進党との合流に伴う大混乱、立憲民主党の誕生…。目まぐるしい政局を経て、ついに総選挙がスタートした。

「風」を味方につけるのは一体、誰なのか? ここではまず、現地でしかわからない埼玉4区の(秘)情報をお届け!

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選挙区の注目度No.1は圧倒的にこの人。「このハゲ~!」のひと声で自民を離党、無所属での出馬となった豊田真由子候補だ。

怖いモノ見たさなのか、とにかく人が集まる。公示日の午後2時、志木駅前。白のスーツ姿の豊田候補が登場すると、手狭な駅前はあっという間に群衆で埋まってしまった。

なかには一度乗ったバスからわざわざ降りてきて、「マユコ見物」を決め込むおばちゃんも。本誌記者が「バスに乗らなくてもいいの?」と聞くと、「だって、ホラ。生のマユコ、一度は見てみたいじゃない」。

豊田候補は開口一番、「逃げたほうがどれだけ楽か。でも、恥を忍んで出馬しました!」と涙ぐみ、人々の視線をクギづけに。

ただ、選挙は厳しい。「ポスター1枚もろくに張れない。たったひとりだけのみすぼらしい選挙」と本人も連呼していたように、運動員はわずかなボランティアだけ。演説場所の確保もままならず、公示日の前日夜まで第一声のスケジュールが決まらなかったほどだ。

対抗の自民・穂坂 泰(やすし)候補は出陣式で演説をド忘れし、ポケットのカンペを読むなど、やや心配な一面を見せるも、元県議会議長を父に持つ地元政界のサラブレッド。地元商工会など分厚い支援組織を誇り、盤石の態勢を整えている。

県議4期を務めた希望・吉田芳朝(よしのり)候補、新座市議10期の共産・朝賀(あさか)英義候補も選挙巧者。「マユコ復活」のハードルは高そうだ。

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(取材・文/本誌総選挙取材班)