山内健司(左、36歳、168cm)と濱家隆一(右、33 歳、186cm)のコンビ。関西の賞レースでは上位の常連だ

10月1日の「キングオブコント(KOC)」での準優勝以来、特需に沸く男女コンビ「にゃんこスター」。TV出演の依頼は100本以上に上り、CMやイベント出演の話も進んでいるという。

一方、にゃんこスターに話題をかっさらわれてしまった感があるのが、優勝した「かまいたち」だ。結成13年、関西では8本のレギュラー番組を持つ実力派コンビの素顔を、NSC講師として駆け出しの頃から指導してきた演芸作家の本多正識(まさのり)氏が語る。

「ふたりとも見事なおっさん顔。派手さはにゃんこスターに負けます(笑)。でも、彼らはコントだけでなく漫才も歌ネタも、ロケもフリートークも面白い。多くの賞も獲っています。ただ、ほぼ同世代のジャルジャルや銀シャリが全国区になっても、彼らはずっと関西ローカルのスターでした。いつか東京に出て全国区に、という思いは年々強くなっていたはずです」

主にボケ担当でネタも書く山内健司は国立の奈良教育大学卒で教員免許を持つ。

「スキあらばボケ倒す山内君は、笑いにマジメで貪(どん)欲。NSC時代の舞台トークの練習の際、ほかのメンバーが『下ネタはあかん』と言うと、彼は“フリ”と勘違いして延々とエロトークを続け、こってり先生に怒られたとか(笑)。ただ、もともと頭がよくて努力家ですから、お笑いを理解するに従い、質の高いネタを量産するようになりました」

一方、主にツッコミ担当の濱家(はまいえ)隆一はとにかく器用な万能タイプだ。

「例えば将棋。私も濱家君も初心者だったのですが、彼はハマると見る見る上達し、もうとても勝てません。手品はプロ並みの腕前で、料理も玄人はだしですよ」

昨年のKOCで決勝進出したものの3位に終わり、「優勝しないと意味がない」と語ったふたり。本多氏は今年のKOCの決勝直前、「丁寧に、言葉をしっかり届けること」とメールを送ったという。

見事に雪辱を果たし、次なる話題は史上初の「KOCとM-1(決勝は12月開催予定)の2冠」への挑戦だ。

「見どころは、山内君が繰り出す意外な大小のボケ。4分の短い漫才の中に『おーっ、そうきたか』と驚くようなボケをいくつ仕掛けられるか。そんなネタが作れたら2冠も夢ではありません」

実はふたりとも新婚ホヤホヤ。結婚、KOC、そしてM-1と最高の年にできるか?

(写真/時事通信社)