週プレNEWS TOP 連載コラム "本"人襲撃 ネットや職場で急増中! オレ流の“正義”を振りかざす人は「実は危ない人」の可能性あり?

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ネットや職場で急増中! オレ流の“正義”を振りかざす人は「実は危ない人」の可能性あり?

[2017年11月21日]

「“正義の人”と接するときは、深入りせずに適度な距離を置くこと。決して相手の考えを変えようと試みないことです」と語る榎本博明氏

あなたの身の回りにも、世の中の不祥事や芸能スキャンダルに対して、直接関係があるわけでもないのに“正しさ”を振りかざそうとする人がいないだろうか。そんな、「正しさを振りかざす人」はネット上にも多く存在する。彼らの根底にある心理とは、いったいなんなのか。

心理学者の榎本博明氏の『正しさをゴリ押しする人』は、そんな彼らの攻撃衝動と、それを生み出す現代社会の様相を細やかにひもといている。現代を生きるわれわれにとって、この現象はもはや人ごとではないはずだ。

* * *

―これまで心理学にまつわる数多くの著書を書かれてきた榎本さんが、本書を書こうと思い立ったきっかけはなんでしょうか。

榎本 まず、私が本を書くときは、「こんなどうしようもない人がいるぞ」と人をあざ笑うのではなく、「もしかしたら、自分もそうかもしれない……」と読者に後から気づきを得てもらえるよう常に心がけています。特に近年は、不景気や不透明な将来性によって世の中の空気がよどんでおり、人々の欲求不満が多く渦巻いています。

かつては、そういった状況でも冷静に自分の感情を制御できる人が多かったのですが、SNSとスマホの台頭によって、どこでも攻撃衝動を発散できるようになりました。相手の落ち度を見つけてはネット上で叩き、“正義”を振りかざす。でも、そこで相手の視点と立場を無視していては、ただの攻撃やイジメです。そのことにもっと気づいてほしいという思いがありましたね。

―なるほど。しかし、「日本人は謙虚である」とも書かれていますね。国際的なツールであるSNSですが、このような問題は海外ではより大きく取り沙汰されているのでしょうか?

榎本 SNSによる攻撃は海外でも問題にはなっています。ただ、欧米人は日本人と比べて“自己”の構造が大きく異なっているのが特徴です。欧米人は自分の殻をしっかりと持っているので、「自分は自分。人は人」と幼い頃から叩き込まれ、自分と他人が切り離されています。

一方で、日本人は「常に人と一緒にいるのが当たり前」という教育を受けています。すると、SNSでつながっていようと欧米人は “個”がしっかりとしていて自分を守れるのに対し、日本人は常に「相手あっての自分」なので、相手のことが気になって仕方がない、という現象が起こります。

日本社会は古くから相手を気にする「間柄の文化」であり、欧米社会は「自己中心の文化」です。なので、欧米人は自分の言いたいことを言うのが当たり前なんですね。日本だと「それはダメだ。自分勝手すぎる。相手の立場や気持ちを考えて何を言うべきか」と自己をコントロールしようとします。常に誰かとつながれるSNSの負の影響は、そうやって常に相手を気にする文化を重んじる日本のような国にこそ、より顕著に表れたりするんですよ。


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