シルクロードの旅開始!「天安門広場」にやってきたら、北京の空は(少し)青かった!

ニーハオ! お久しぶりの旅人マリーシャです。

バックパッカーの旅も104ヵ国を達成してしばらく満足感に浸ってたけど、世界は広く、まだまだ行ってない国が半分くらいも残ってる。もうなかなか気軽に行けるところも少なくなってきた中、世界地図を見つめていると、ふとこれまで見逃していた地域が目に入った。

中央アジアだ。

主に旧ソ連に含まれていた5ヵ国、カザフスタン、キルギス(キルギスタン)、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタンなど“スタン系”の国々。ビザの取得が難しかったり滞在登録が必要だったりと何かしら面倒で、世界一周をする旅人の多くもルートから外してる少々マニアックなエリアだ。

しかし近年、この中央アジア諸国のビザ取得条件が少し緩和されてきており、旅人の間では「今が行き時」と話題となっている。

「ならば行こうじゃないか、中央アジア!」

そう思い、立ち上がった私は現在、ビザが免除となっているカザフスタン行きの航空券を買った。もちろんチケットはいつもの通り格安のもの。北京乗換えで待ち時間が14時間もあるのだから、天安門でも見て行こうかな。

さあ、まず深夜の羽田空港に到着すると、大勢の中国人が列をなし、相変わらず中国人口13億超えのすごみを感じる(米国のある研究グループによると、中国の総人口は「盛ってる」可能性もあるそうだけど…)。

そしてここ数年、旅をしていて気が付いたことなのだが、空港で見かける中国人旅行者はいつも必ずステンレスボトル、いわゆる水筒を持ち歩いていた。出国手続き時には液体を持ち込めないので、きっと直前で中身を捨て、検査通過してから再び飲み物を注ぐのであろう。

でもそれなら、水のペットボトルを買えばいいだけのはずだが、わざわざマイボトルを持っているのはなぜだろう? そう、それは彼らが欲しいものは「ホットウォーター(お湯)」だからだ。

北京空港の全家(ファミマ)では当たり前のようにレジ横に水筒が売られていた

中国の空港には至るところに給湯器がありました

中国人は白湯を飲む習慣がある

何度か降り立った中国で毎度痛感するのが、あまりの英語の通じなさ。しかしそんな中国でも、もしかしたら「ホットウォーター」は通じるのではないかというくらい、彼らはお湯を必要としているようだ。以前、中華系航空機に乗った時に、離陸直前にCAさんが乗客の水筒を集め、お湯を提供するという独特なサービスを目にしてビックリしたことがある。

これについて中国人の旅友に尋ねると「中国ではレストランでもお湯をくれるからね。皆、マイボトル持ち歩いてるよ! お年寄りの90%、若者の50%くらいは持ってるんじゃないかな(笑)。男子はお湯飲まない人も多いけど、女子は身体のためにもお湯は絶対。私のボトルはピンクで日本製だよ♪」と言っていた。

なるほど、お湯を持つのは要は健康を考えてのことか。中には自分で茶葉を入れる人もいるだろうが、基本的に中国人は白湯を飲む習慣があり、保温性の高い日本の水筒は爆買いアイテムとして人気なのだ。

そして今まで気にしたことはなかったが、羽田国際空港内の出発ロビーのトイレ付近で給湯器を発見! これは空港がサービス向上のため「お客様の声」を集め、一昨年に1台、昨年新たに6台設置したもの。赤ちゃんのミルクを作るお母さんにも重宝しているようだ。中国人のおかげで(?)便利になって、まことに謝謝です。

もちろん北京空港では当たり前のように給湯器があったので、私も備え付けの紙コップで1杯いただくと早速、市内へ向かった。

空港から市内へ向かうシャトルの車窓から

メトロに乗って天安門広場に着くと、そこには思いもよらぬ青空が広がっていた!

日本を出発する前、友人に「北京行くの? 空気すごいよ。超ハイテクな最強マスクでも持ってくなら別として、咳も出てることだし絶対やめたほうがいいよ」と言われていたので覚悟していたのだが、近年、北京市が電気バス(EVバス)導入を強化しているからなのであろうか。空気の汚染は感じない。

それどころか、美しい花壇には色とりどりの花が咲き誇り、紅葉の下では猫のカップルが寄り添い、広い道路はまるで欧米のよう。良い意味で裏切られた。

また反対に、中国のイメージを裏切らない、赤い星の人民帽を被る人が自転車で移動する様子や、カンフージャージを着た子供が現れた時はそれもまた嬉しかった。外国人が日本で侍や忍者を見たら、やっぱり嬉しいんだろうな。

天安門と人民帽のおじさん。人民帽は昔は「人民解放軍」の軍帽。『らんま1/2』を思い出し「中国四千年の歴史!」と叫びたくなった

天安門広場の近くでは美しい花壇と紅葉、寄り添う猫にほのぼのさせられた

イモムシ串にサソリ串

しばらく天安門を眺めた後、私は次に“北京の原宿”や“北京の銀座”などと呼ばれる王府井(ワンフーチン)へ向かった。広い歩行者天国にはブランド品店やH&M、ZARAなどのお店が並び、街は整然。

ここにもまた至るところに花壇が設けられ、ゴミ箱も設置されていて清潔で、タンや唾を吐いているおじさんはひとりしか見かけなかった。

H&Mの前を行き交う若者たちと、タバコをふかすおじさん

北京の原宿? 銀座? プラダの上は北京の「カサ・ミラ」?

脇道にはちょっとした屋台街があり、美味しそうに湯気をあげる肉まんや栗、串にささったリンゴ飴、そして串にささった…イモムシ! そしてさらにモゾモゾとうごめくものは、串に刺さったサソリ! ギャー! 生きてる!

いつもならここでチャレンジ! といきたい所ですが、これまでにもいろいろな国でゲテモノを食べてきたので今回は遠慮しておくことにしました。

ニーハオ! 北京の原宿で食い道楽するあるよ!

イモ虫の串を持った子供

うごめくサソリ串

イモムシやサソリはともかく、とても美しく感じた北京の印象をこれまた中国人の旅友に報告すると「それはたまたま青空の日だったんだね。普段はもう空気がひどくって、北京で働いている子たちは咳が止まらず、みんな地元帰ったりしてるよ!」と、どうやら私が訪れた日がレアでラッキーだっただけのようだ。

北京空港に戻りトイレへ向かうと、そこはオードリー・ヘップバーンの絵が飾られ掃除の行き届いた清潔な水洗トイレで、最後まで好印象だったけど。

ヘップバーンの横で最後に白湯を飲み干すと、人口の多いはずの中国なのにカザフスタン行きのチェックインカウンターはガラガラ…。なんだか急に心細さを感じながら、いよいよ中央アジアの旅が始まるのであった。

ヘップバーンが見守るトイレ

【This week’s BLUE】北京の貴重な青空の下でインスタ映えする抹茶ソフト。ネイルがハゲてるのは旅人の愛嬌です★旅人マリーシャの世界一周紀行:第164回「サビーナ選手の故郷・カザフスタンで“将来の美人候補生”に癒やされる」

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】