第16回のテーマは「世にも奇妙な同居人」

『週刊プレイボーイ』が15歳の頃から撮り続けてきた、誰もが認める実力派女優・黒川芽以ちゃん(さん?)が今年で30歳!

その記念にデジタル写真集をつくりたい!ということで、彼女とのコラボを思い立った週プレは、カメラマン・熊谷貫氏が“黒川芽以と東京の夜”をテーマに撮り続けていく写真集用の撮り下ろしカットを交え、芸歴24年&女優歴20年という彼女が貴重なエピソードを惜しげもなく告白するエッセイ連載。

写真集のメイキングと人気女優の素の言葉が絡み合いながら進行していく史上初のウェブ連載。30歳の黒川芽以による、30の言葉と30の夜をお届けします!

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女優歴20年、地道にコツコツの黒川芽以です!

22歳で初めてひとり暮らしをした時、世にも奇妙な体験をしました。

新築物件を予約してたんですけど、いろいろとトラブルがあったんです。建設前のマンションだったので、実際に建ってみると隣の家との距離が近すぎたりと問題が多くて…。それでキャンセルしたのに、手付け金も返してもらえなくて散々な思いをしたんです! そしたら、ちょうど向かいに新築のいいマンションを見つけてしまって。後先を考えずに、即決しちゃったんですよね。

住み始めてから気づいたんですけど、その部屋には自分以外にも入居者がいたんです…。ある日、仕事から帰って来ると、私の部屋で知らないおじさんが寝そべっていて(笑)。霊感はそこそこあるほうだったので、見てはいけないものを見てしまったと…。特に害はなかったんですけど、いるだけで怖いですよね(笑)。それからも何度か部屋の中で、そのおじさんを見ました。

それに、内見の時は気づかなかったんですけど、マンションの隣はつぶれた小児科だったんです。ちょっと気味悪いですよね…。家って2年契約じゃないですか。次の更新まで引っ越しは契約違反だと思っていて、2年間は我慢して住んでましたね(笑)。

引っ越しが決まった頃、霊感の強い友達が家に遊びに来たんです。ふたりで近所を歩いてたら、別のマンションの下におじさんが! 一緒に見ちゃったんですよね。目が合ったら、ニヤっと笑ったんです。おじさんを見たのは、それが最後でした。当時は本当に怖かったけど、今考えると「ここに引っ越します」って挨拶だったのかなって(笑)。

もうひとつの奇妙なお話

その霊感の強いコといると、怪奇現象が起こる確率が上がるんです。元々は同業だったので、10代の頃、一緒に雑誌の撮影で古びた洋館に行った時のこと。写真家の蜷川実花さんが女のコ4人を作品チックに撮る企画だったんですけど、最初はひとりずつ撮って。グループショットを一番奥にある部屋で撮るってなった時、私たちは「この部屋だけは絶対入っちゃダメ」って感じたんです。

地下室に繋がっていて、とにかく広い部屋だったんですよ。ふたりで「やば~い」ってくっつきながら歩いてたら、何もないところで急に私たちだけ吹っ飛んだんです! 誰かに押されたような感覚で…。心の中で「お邪魔します! すぐ帰るので、本当にすいません!」って謝り続けて(笑)。絶対、何かがいましたね…。

怪談とはちょっと違うんですけど、もうひとつ奇妙なお話。小さい頃、透明人間を見たことがあるんです。水の塊というか、王冠を被ったゲル状の人間。2年に1回くらいのペースで、12歳まで見てたんです。あるはずのないものを見ると怖いので、小さい頃は「お母さーん、怖いよー」って泣いて逃げてました。12歳になった頃、次会ったら「あなたは誰ですか?」って聞いてみようと決めてたら、そこから見なくなっちゃって。

あの透明人間は誰だったんですかね? 小さい頃は怖かったけど、だんだん怖さもなくなってきて。自分では勝手に“守護霊”だって思ってます(笑)。子どもの頃の私を守ってくれてたんじゃないかな! ふふふ。

次回は、こっそり働いていた「副業」について語ります!

(撮影/熊谷貫 構成/釣本知子)

※本連載の第1回~第15回までのコラムは「週プレ グラジャパ!」にて発売中の【デジタル限定】黒川芽以写真集『30×30』に掲載。是非こちらもお楽しみください!

●黒川芽以(くろかわ めい)1987年5月13日生まれ。東京都出身。93年『揖保の糸』CMでデビュー。97年に10歳でNHKドラマ『鏡は眠らない』に出演して以降、映画やドラマ・舞台と数々の作品に出演。主演映画『二十六夜待ち』は、12月23日公開! Netflixで配信中のドラマ『炎の転校生 REBORN』第4話、Amazonプライムで配信中のドラマ『日本をゆっくり走ってみたよ~あの娘のために日本一周~』第3話・第4話に出演中! そのほか最新情報は、公式ブログ、Twitter【@mei_kurokawasan】にて