マイブームの「覆面番組」にちなんで、私も白鵬関のお面をかぶってみました!

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、彼女のマイブームだという海外の「覆面番組」の魅力について語ってくれた。

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近頃、“覆面”に興味があります。といっても、私がマスクをかぶりたいわけではなくて(笑)、覆面をした人が出演する海外の番組にハマっているんです。

先日、アイルランドを訪れた際に知ったのが『BIG HEADS』という番組。ごく最近イギリスで制作されたバラエティ番組のようなんですが、その内容は、いろんな有名人のお面をかぶった素人さんたちが『風雲!たけし城』的なアトラクションに挑戦するというもの。

高速で動く床の上を走ったり、作りもののサメに追いかけられたりと、かなりくだらない内容なんですが、それをテリーザ・メイ英首相やエルトン・ジョンなどのお面をかぶった人が必死にやる姿に大笑いしてしまいます。時には、シェイクスピアやチャールズ皇太子といった人たちも、走ったりコケたりサメに噛(か)まれたりしていて、ほんとに自由です。

ちなみに、“BIG HEADS”を直訳すると「大きな頭」という意味ですが、比喩的に「うぬぼれ屋」とか「お調子者」という意味もあります。つまり、著名人を皮肉ったタイトルなんですね。

日本ではとても作れそうにないこの番組。視聴者からの批判もあるだろうと思ったんですが…ネットで一番バズっている批判記事は「なぜこんな土曜日っぽい番組を日曜日に放送しているんだ」というもの。私にはまったくピンとこない批判で、ますます謎が深まります(笑)。

そして、韓国に行ったときに出会った覆面番組が『覆面歌王』。こちらは、お面をかぶった有名人たちがカラオケを歌い、歌の実力だけで優勝を決めようというすごくちゃんとした番組です。ただ…かぶっているお面が、ものすごく変なんです(笑)。民芸品っぽいお面や、プロレスラーのマスクのようなものはまだわかります。しかし、メロンやエビ、時計、タイプライターなど、とにかくわけのわからないかぶりものがたくさん出てくるんです。

韓国ではなんと視聴率1位!

そんなおかしなお面たちが、超絶歌唱力で競い合うというギャップに大ハマリ。韓国語はまったくわからないので、最初は何を話しているのかちんぷんかんぷんでしたが、見ているうちに内容もわかるようになってきました。

というのも、韓国の番組って、トーク中によくCGのイラストが出てきたりするんです。例えば、しゃべってる人の頭に急にサンタの帽子がかぶされたら、クリスマスの話をしてるんだなとわかるし、ステーキを食べているCGが出てきたらご飯の話なんだと理解できる、という具合に。

ただ、いまいち合点がいかないのが、覆面をした人の正体がわかる瞬間です。負けた人は覆面を取らなきゃいけないんですが、いつも審査員や観客席から「あっ!」という驚きの声が上がるんです。首から下は隠していないし、歌声も本人のものですから、有名人だったらすぐにバレそうなんですが…。覆面を取るまで誰だかわからないというこの仕掛けがウケて、韓国ではなんと視聴率1位の人気番組になっているそうです。

もしハロー!プロジェクトのメンバーが出たら、私はヒザ下だけで誰かわかる自信があるんですが(笑)、日本でもこんな覆面番組が観てみたいですね。

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエア中のJ-WAVE『TRUME TIME ANDTIDE』でナビゲーターを務めている。今、切実に望んでいるのは、『BIG HEADS』のDVD化とシーズン2の制作