河口湖の奥にそびえる富士山。まわし姿で意気込む(?)めっちゃ細田は登りきることができるのか!?

100km近くまでバッテリーが持つようになるなど、電動アシスト自転車の技術が進化している。そのため、特に欧米諸国ではスポーツタイプの電動自転車が人気に。その波は国内にも及び、盛り上がりつつある。しかし、気になるのはその実力だ。

5合目までは自転車でも登れる富士山。毎年、「Mt.富士ヒルクライム」というレースも行なわれているが、普通の自転車は無理でも電動自転車なら素人もイケるのか。

というわけで、体重96kgの元力士芸人である「オオイチョウ」のめっちゃ細田が富士登山に挑戦!

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今回、走るルートは富士スバルラインの料金所から5合目までの24.1km、標高差は989m、平均勾配は約5%だ。最大115kmのアシスト走行ができる「CRUISE(クルーズ)」であれば攻略できるはずだが、細田の体重ではだいぶ違ってくる。「いや~、横綱のような威圧感ですね、富士山はすごい」と細田もやや不安げだ。

力士は自転車に乗るときも浴衣姿のため、そのまま行こうとする細田。しかし危険なので着替えることに

しかし、いざ出発しアシスト機能をオンにすると「うわ、すげ~! 超楽!」と細田から驚きの声が。「これならイケますよ。ECOモードでも平気なんちゃいますか? 紅葉サイクリングに来ただけですわ(笑)」と腹立たしいくらい余裕の表情だ。かつて安治川部屋(現・伊勢ヶ濱部屋)に所属し、引退して約10年たった今でも十分パワフルだ。「リアルストリーム」の強モードで追走した記者は1合目から早くも後れを取っている。

「遊びに来たみたいで、すいません」と謝る細田だが、後ろの記者は運動不足でヘロヘロ。ちなみに一合目が一番キツイ

気楽な気持ちで2合目まで登った細田だったが、スタートから約1時間、2合目半ばでやや変化が。本人はまだ余裕だと言うが、口数が減ってきた。

突然の雪で細田にも変化が…

さらに3合目に差しかかる辺りで、晴れているにもかかわらず突然の降雪。すぐにやんだが、3合目半ば、およそ15km、2時間近く走った地点で霧が。いつの間にか細田のアシスト機能はNORMALモードに。「ヤバいっすね。ちょっと足がふわふわしてきました。冷え込んで体力が奪われたのかもしれないです」

4合目直前の大沢駐車場でついに弱音を吐く細田。ただ、上着も着ず半袖のまま…元力士、ハンパない! バッテリー残量は体重と傾斜の負荷によって、約20kmで52%まで減少。

4合目からはラストスパートでHIGHモードにしたが、細田から「やっぱり舐(な)めていました。最初と違ってアシストも強いのに楽ではない」と本音がこぼれる。しかし、残り4kmを切った辺りで急に坂がなだらかに。細田もホッとした表情に早変わり。そしてそのままゴール! 時間にして3時間12分のヒルクライムは終了!!

「横綱の胸を貸していただきました! ごっつぁんです!」

外国人観光客でにぎわう5合目に到着。自分のペースで登ればほとんどの人は完走できる

★今回、使用したのは“輪界”も注目の1台!■CRUISE(ミヤタサイクル) ¥269,000(税別・販売予定価格)走行距離:ECOモード=115km/NORMAL モード=106km/HIGHモード=78km 今年9月、国内有名メーカー「ミヤタサイクル」が満を持して 発表したのが「CRUISE」だ。アシストユニットには「シマノ」の「STEPS E8080」を投入。同製品はこれまでヨーロッパ向けに作ってきたが、日本の製品に採用されるのは初。世界最大の自転車部品メーカーが開発したパーツとあって自転車愛好者が大注目している。さらに連続アシスト距離もECOモードで115kmと国内最長ク ラス! NORMALモードでも100km超えのモンスターバイク なのだ。来年2月1日の発売開始(予定)が待ち遠しい!

(取材・文/鯨井隆正 撮影/下城英悟)