約77万年前から12万6000年前を代表する地層として候補地に選ばれた千葉セクション

11月中旬「地球の歴史に“千葉時代”が生まれる」というニュースが日本中を駆け巡った。

千葉県市原市にある地層(千葉セクション)が、約77万年前から12万6000年前を代表する地層として候補地に選ばれ、今後正式に認定されれば、ジュラ紀や白亜紀といった地質年代に「チバニアン」という名前がつけられることになる。

このチバニアンとは、どんな時代なのか? 茨城大学理学部地球環境科学領域の岡田誠教授が解説してくれた。

「約77万から12万6000年前は、今と同じ気候で同じ生物相(生物種)になってきた時代です。例えば、有名なものではマンモスやナウマンゾウがいました。彼らは気候変動で絶滅したのではなく、おそらく人間が狩猟の対象としたために1万、2万年くらい前に姿を消したのです。

また、現生人類のホモ・サピエンスは30万年くらい前、チバニアンの真ん中辺りに登場しましたが、この頃には別種の人類であるネアンデルタール人も暮らしていて、共存していたと考えられています。チバニアンが始まる77万年前には、ジャワ原人がいたといわれています。ジャワ原人が人類と共存していたかはわかりませんが、この時代には生きていたはずです」

人類のことを知る上で非常に重要な時代が、チバニアンなのだ。

そんな地球史的に大注目の千葉だが、地元の人々の間では意外な御利益もささやかれているらしい。 “千葉県住みます芸人”のうっほ菅原氏に聞いた。

「11月13日にチバニアンのニュースが出てから、すぐに行ってきましたよ。実は、あそこは『地磁気が逆転した時代の地層です。人生を逆転させたい人はぜひ来てみてください』みたいな説明もされていてパワースポット的な場所にもなっているんです。それで、芸歴15年の僕もなんとか売れたいと思って、一発逆転を求めて地層に触ってきました。

ただ、ここで気をつけてもらいたいのが、チバニアンの地層の下には触らないこと。チバニアンより前の時代は“カラブリアン”(約180万年前から78万1000年前)と呼ばれているんです。そっちを触っちゃうと人生空振りになるかもしれません。

チバニアンを触って、御利益があったかって? もちろんです。その後、チバニアン絡みの取材が増えましたし、この間、生誕ライブをやったら満席になりました。しかも、成田市長も見に来てくれたんです。このチバニアンパワーはすごいですよ。地磁気が変わるくらいなんだから、人ひとりの人生を変えることなんて簡単なのかもしれません」

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(取材・文/村上隆保 写真提供/千葉セクション申請チーム)