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なぜ反セクハラ運動は日本で盛り上がらない──女性の権利向上は韓国のほうが進んでいる?

[2017年12月07日]

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性的被害を受けた女性が声を上げにくい背景には、男女格差や男性優位という社会構造的問題があると語る金惠京氏(撮影/細野晋司)

ハリウッドの大物プロデューサーが女優やスタッフに肉体関係を強要するなどのセクハラを繰り返していたという報道をきっかけに、性的被害を受けた女性たちがSNSで自身の経験を公表する動きが世界各国で広まっている。

しかし、日本における報道を見ていると、この反セクハラ運動は「海の向こうの出来事」という印象がある。お隣の韓国ではどうなのか?

「週プレ外国人記者クラブ」第101回は、ソウル出身の国際法学者で、様々なメディアで活躍する金惠京(キム・ヘギョン)氏に聞いた――。

***

―ハリウッドのニュースをきっかけに、SNSで「#Me Too(私も)」と、セクハラ被害経験のある女性たちが声を上げるムーブメントが起こっています。韓国ではどうでしょうか?

 まず、何をもって「セクハラ」というのか、その定義は国や組織によって異なりますので、ここでは被害の大小を問わず、なんらかの性的被害という位置づけでお話させていただきたいと思います

韓国でも、ハリウッド発のムーブメントが社会に広まっている現象は見られません。やはり、日本と同様に自身の実名を挙げることへの抵抗があるのでしょう。日本の内閣府の男女共同参画局推進課による「男女間における暴力に関する調査」(2014年)によると、異性から無理やりに性交された経験がある女性は6.5%、そのうち警察に相談したのは4.3%、少し前になりますが1999年の総理府による同様の調査では、痴漢被害の経験は48.7%、そのうち警察に連絡・相談したのは10.7%です。

いずれの調査でも、後者の数値は前者の数値の中における割合なので、非常に少ないことがわかります。また、痴漢被害の経験は48.7%となっていますが、私の実感では通勤・通学で電車のラッシュを経験して痴漢に遭ったことのない女性はほとんどいないと思います。これらの低い数値が示すように、性的被害は表面化しにくいものです。その根底には男女格差の大きさ、男性優位の価値観が根強く存在しているのではないでしょうか。これは社会構造的な問題であり、日本と韓国に共通しています。

―韓国が男性優位社会というのは、なぜですか?

 儒教の影響が強かったことも一因でしょう。私が子供の頃は、3世代が暮らす大家族も珍しくなく、家庭では男女が食卓を別々にしていた記憶もあります。もちろん、今はみんなで一緒に食事をするのが一般的になっています。

―これまで韓国でセクハラなどの性的被害が社会問題になったことはありますか?

 2009年に当時、売り出し中の女優だったチャン・ジャヨンさんが所属事務所から「性接待」を強いられていたことを苦に自殺しました。捜査が進むにつれ大きな問題になり、2014年に「大衆文化芸術産業発展法」(通称:チャン・ジャヨン法)が公布され、16条で性接待―日本語でいう枕営業の禁止が記載されました。韓国は大きな問題が起こるとスピーディに法律が作られるという特徴があります。

―チャン・ジャヨンさんが自殺に追い込まれてしまった背景にも、被害女性が泣き寝入りするしかないという実情があったのではないでしょうか。その背景には、どのような理由があると思いますか?

 これも日韓で酷似している問題ですが、ふたつの背景があります。まず、男女間の格差が挙げられます。日本も韓国もGDPでは世界トップレベルの先進国なのに、OECD内の「男女賃金格差ランキング」では韓国がワースト1位、日本はワースト2位です。

もうひとつの背景は、加害者が罪に問われる割合が少ないということです。被害者の女性が訴え出たとしても、捜査や裁判で被害に遭った際の状況を事細かに説明しなくてはなりません。この多大なストレスは、捜査や裁判における労力と見合うものではないので、訴えを断念してしまうことも多いのです。


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