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旅人マリーシャの世界一周紀行:第165回「キルギスで羊を一頭買い! “ナイフ1本でさばけない男は認められない”世界で考えたこと」

[2017年12月07日]

「え、え、本当に買うの?」。責任転嫁をするわけではないが、私はまだ覚悟ができないまま、ハラハラしながらその様子を目で追っていた。

羊は暴れたり逃げたりする様子もなく、後ろ脚を持ち上げられ前脚だけで進みながら、木製のすのこ台まで運ばれていく。すぐに首元にナイフが当てられると、あまり声をあげずに失血死させられた。

横ではまだ2歳くらいの、その家の小さな子供が無表情でそのシーンを見ている。この子にとってはもう当たり前の光景なのであろう。

羊の首元にナイフを入れる

羊の首元にナイフを入れる

まるで洋服を脱がすように毛皮をはがす。背中が寂しく見えるのは気のせいだろうか

まるで洋服を脱がすように毛皮をはがす。背中が寂しく見えるのは気のせいだろうか

羊の内臓

羊の内臓

私といえば、どうしたことだろう。どういう感情を持ったらよいのかわからなかった。普段、焼肉を普通に食べているし、今さら「かわいそう」と偽善ぶるつもりもないが、しかしそういった感情もあり、なんとも言えない気持ちであった。

最近の日本の小学生は、スーパーで売られている魚の切り身を見て「刺身が海を泳いでいる」と思っているらしいが、私もさして変わらないかったのかもしれない。いつも肉は切られて売っていて、それを買って何も考えずに美味しく食べていた。しかし、キルギスでのこの買物では、命を頂いているということを改めて確認させられたのだ。

お肉や内臓からはまだ湯気が立っていて、ビニール袋に詰められた25kgほどある羊を男子たちが宿のキッチンに運ぶ。キルギスの伝統料理としてさばいた羊は一切無駄にせず、内臓はきれいに洗って鍋にすることになった。お肉は炭の上で焼かれ、レバーやハツは刺身としてテーブルに置かれたが、レバーには何やら見たことのない黄色っぽい斑点があり、皆が不思議がっていた。

羊のハツ

羊のハツ

そして、その日のシェア飯では、私はお肉を一片もらった以外はその羊に自ら手を伸ばすことはなかった。単純に夕飯を食べてきてしまったからと、そのため羊代も払っていないから遠慮したのと、レバーの斑点が不安だったことなど理由は複数だが、なんだか今日これをすんなり食べる気にはなれなかったのだ。

しかし、これがキルギス独特の文化。「ナイフ1本で羊をさばけない男は、男ではない」と言われるほど、男性に求められる技能でもあり、お祝い事に羊1頭はかかせない。

この国でモテる男になるためには、羊くらいさばけないといけないのだ。

いつかこの少年たちも一人前のキルギス男子になるのだろう

いつかこの少年たちも一人前のキルギス男子になるのだろう

【This week’s BLUE】
私は羊を食べずに、その夜はひたすらビールを飲んだ
マリーシャ165-16

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】


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