海外ではUberなどのサービスが普通に使えるが...

トヨタが次世代タクシー車両「JPNTAXI(ジャパン・タクシー)」を発表した。

これに関し、『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、なかなか進まないタクシー業界の規制緩和問題を議論する!

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ひろ トヨタがおもしろいタクシー(JPNTAXI[ジャパン・タクシー])を発表したみたいですね。道路交通情報の収集機能が装備されていて、その性能はグーグルストリートビューの撮影カーより高度だそうです。

ホリ いわゆる「コネクテッドカー」ってやつね。

ひろ えぇ。使い方はいろいろあって、例えば逃走車両なんかを探すのも、そのトヨタのタクシー経由になるかもしれないですし、道路上をひたすら撮影しまくって今年の流行色とか、服のデザインや髪型とかまで記録として残せます。局所的なゲリラ豪雨とかも、かなりの精度で範囲を指定できたりしますよね。

ホリ データがあればその活用の方法なんていくらでも考えられるからね。

ひろ ただ、個人情報がうんぬんとか騒ぐ人が出てきそうな気もしますけど...。

ホリ 実害なんてないのに。

ひろ そうなんです。法的にも「外の景色を撮るのは問題ない」ってことは、グーグルストリートビューで立証されていますからね。それにストリートビューの場合は、「うちのベランダが写ってる!」とか被害者が明確だったんですけど、これは映像をそのまま一般公開するわけじゃないので被害者も特定できないかと。

ホリ そういえば、2013年にSuicaのデータを販売したことがあって、騒動になったよね。個人の特定は不可能なのに、相当叩かれて販売中止になった。

ひろ ありましたね。そういう意味では、トヨタは先人の失敗を見てうまいことやるんだと思います。なので、しょうもない理由で潰されないことを祈ります。

ホリ タクシーでいえば、最近は中国人がやってる「白タク(無許可のタクシー営業)」が問題になっているみたいよ。中国人観光客向けにやっていて、摘発が難しいとか言われている。

ひろ 日本の警察が取り締まるのは無理でしょうね。運転手とお客さんが目の前で現金のやりとりをしていない限り、「親切で運転してあげているだけ」と外国語で言われたら、それ以上突っ込みようがないですし。

ホリ てか、中国では白タクというか「シェアリングエコノミー(共有型経済)」がすでに当たり前になりつつあるから、こうしたサービスを求めるのは当然。しかも中国語で応対してくれるんだから、中国人観光客はそれを使うに決まっているよね。

違法行為を推奨するつもりは一切ないけど、外国人にとって日本のタクシーは不便だもん。「インバウンド振興」とか言いながら移動手段は昭和のままだから。

ひろ 海外ではUberとかLyft(リフト)(ライドシェアサービス)なんかが普通に使えますもんね。

ホリ そそ。言葉が通じなくても目的地まで連れてってくれて、支払いもクレジットカードだから、降りるときに手間がかからない。めっちゃ便利だよ。

★後編⇒ホリエモン×ひろゆきが"白タク問題"で嘆く「日本はタクシー業界のロビイング活動がスゴすぎる」

(構成/杉原光徳 加藤純平 イラスト/西アズナブル)

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ) 1972年10月29日生まれ、福岡県出身。旧ライブドア社長。SNS株式会社オーナー兼従業員。『やっぱりヘンだよね』(集英社)が好評発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき) 1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『無敵の思考―誰でもトクする人になれるコスパ最強のルール21』(大和書房)