週プレNEWS TOP ニュース 社会 庵野秀明は『ゴジラ』より『ウルトラマン』を作るべき! 宇野常寛からのメッセージ「あなたはそこから逃げるべきではない」

ニュース

庵野秀明は『ゴジラ』より『ウルトラマン』を作るべき! 宇野常寛からのメッセージ「あなたはそこから逃げるべきではない」

[2017年12月10日]

NEW

『母性のディストピア』では、日本のアニメーションを彩ってきた巨匠たちの作品を通じて、戦後日本の課題を批判的にあぶり出した宇野常寛氏

宇野常寛という評論家について、近年はTVコメンテーターという印象を持っている人も多いかもしれない。しかし、本来は『ゼロ年代の想像力』や『リトル・ピープルの時代』といった著作に代表されるようにアニメや特撮、ドラマなどの分析から現在の社会を考察するカルチャー系の論客として知られた人物である。

そんな宇野氏が久しぶりに本格的なサブカルチャー評論『母性のディストピア』を上梓した。宮﨑駿、富野由悠季、押井守といった日本のアニメーションを彩ってきた巨匠たちの作品を通じて、戦後日本の課題を批判的にあぶり出した意欲作だ。

「虚構について語ることでしか表せない真実がある」と信じる彼が本書を通じて今の日本に問いかけたかったものとは何か? 前編(宇野常寛が挑んだ“ふたつの宿題”)に続き、インタビュー後編で論じたのは…。

■第4の作家・庵野秀明への期待

―『母性のディストピア』では「第4の作家」として、庵野秀明にも『シン・ゴジラ』を中心に多くの分量を割いて言及されています。一方、同時期に『君の名は。』という空前の大ヒットを生んだ新海誠はあまり評価されていませんね。

宇野 去年ヒットした『君の名は。』と『シン・ゴジラ』を比べた時に『シン・ゴジラ』のほうが批判力のある虚構を提示できているからです。

どちらも東京の映画として震災を象徴的に扱っていますが、あれだけ『君の名は。』がヒットしたのは、震災に対する人々の無意識の後ろめたさを解消するものだったということが大きい。大災害を遠い田舎で起こった過去の出来事にすることで、安心して泣ける恋愛ドラマの背景にした。つまり、震災を「終わったこと」にしている。

それに比べると、『シン・ゴジラ』では震災も原発事故も終わっていない。我々の目の前にはいつ核爆発してもおかしくないゴジラが鎮座しているんだぞ、というラストでした。ゴジラが庵野秀明の手によって、平成という失敗したプロジェクトの象徴になったのです。

ただ、一方で『シン・ゴジラ』という作品は、決定的にドメスティックに閉じた映画でもあります。海外の人にとっては、日本についてかなり詳しくないと、この作品のアイロニーがほとんど理解不能だからです。それは庵野秀明の作家としての弱点でもあると思います。

―実際、宮﨑駿や押井守といった海外でも高い評価を得ている作家に比べると、海外のファンが少ない印象があります。

宇野 庵野秀明の課題は僕らの課題でもあって。戦後の日本は政治と文学が分裂しており、アニメと特撮のハイブリッドな継承者である庵野秀明はこの問題も継承してしまっている。だから『エヴァ』には自意識、つまり文学しかないし、『シン・ゴジラ』には政治しかない。

本当だったら、『シン・ゴジラ』も日本の問題を露悪的に暴くだけでなく、そうした状況を大きなレベルでもたらしているもの、例えばグローバリゼーションのようなものにもなんらかの応答があると、戦後の奇形的な想像力をさらに前進させることになったと思うのですが、そこまでには辿(たど)り着いていない。あと一歩か二歩だとは思うんですけどね。

―宇野さんから見て、それが実現できる作家というのは誰なんでしょうか?

宇野 作家というか、端的にいうと庵野秀明が『ウルトラマン』を作るべきなんだと思います。そもそも『ウルトラマン』というもの自体が円谷英二の息子世代による戦中派へのアンサーでした。

宇野常寛7751


週プレ酒場のCMはこちら!

連載コラム

Column

連載コラムを見る

Back Number

  • Feb. 5th 2O18 no.6
  • Jan. 29th 2O18 no.5
  • Jan. 22nd 2018  no.3・4
  • Jan.8th 2O18 no.1・2

 

Gravure Gallery

もっと見る

MOVIE Channel

【動画】松川菜々花、モグラ女子の大本命!!

もっと見る

新刊のお知らせ

  • 飯豊まりえ『NO GAZPACHO』
  • 『クルマプレイボーイ』
  • 『週プレ グラビアスペシャル増刊 NEW YEAR2018』
  • 『乃木坂46×週刊プレイボーイ2017』
  • 馬場ふみか写真集『色っぽょ』

 

プレイボーイコミックス

メルマガ会員&アンケート 2018年No.6

クルマ増刊2017

グラビアスペシャル増刊 NEW YEAR2018