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知られざるHIV治療の最前線と日本の課題──感染に気付いていない人が5千人以上!?

[2017年12月27日]

「HIV陽性でウイルスを抑えている人たちは『もはや感染源ではない』ことが国際的な共通認識になってきている」と語る、特定非営利活動法人「ぷれいす東京」代表の生島嗣氏

1985年に日本人で初めてHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染者が報告され、このウイルス感染から発症するエイズ(後天性免疫不全症候群)は「治療法のない不治の病」として恐れられ、さらに感染者への差別などが表面化する「エイズパニック」が巻き起こった。

30年以上経った今では、早めに治療を開始すれば正常な生活も送れる「慢性疾患」と考えられているが、2007年以降、新規感染報告数(HIV感染者+エイズ患者)は毎年1400人を超え、年代別では20代~40代が多いという(厚生労働省エイズ動向委員会「平成28(2016)年エイズ発生動向」)。

医療関係者や感染者支援団体は、HIVへの理解や予防意識が広く社会に浸透していないと懸念する。12月1日の世界エイズデーを機に、HIV陽性者支援団体「ぷれいす東京」代表で、2017年「第31回日本エイズ学会学術集会・総会」では会長を務めた生島嗣(いくしま・ゆずる)氏にHIVの現状や最新事情を聞いた――。

***

―HIVの現状は、社会に広く伝わっているとは言い難い状態です。感染者数なども含めてどう変わってきていますか?

生島 2016年末の日本におけるHIV感染者とエイズ患者の累積報告数は2万7443件に達しています。新規感染報告数は「高止まり」の状態で、16年末時点は1448件。ピークだった2013年の1590件から横ばいを続けています。ただ注目してほしいのが、エイズを発症して初めて感染がわかった人が感染者全体の約3割いることです。この割合は地域によって違います。

厚生労働省の2016年報告によると、エイズ患者のうち日本国籍男性については北海道・東北、東京、九州で増加しており、特に九州は過去最多の報告数(69件)でした。東京や大阪などではエイズ未発症でわかる人の割合が多い一方、地方都市では発症でわかる人の割合が高めな地域がまだまだ存在しています。

どういうことか。HIV抗体検査は保健所や一部の医療機関で、原則匿名で受けられますが、東京などの大都市圏だと匿名性が保てたとしても、近所付き合いが密にある地方では個人が特定できてしまうという不安があるのです。地方都市での検査のハードルは未だに高いのが現状。それをどう下げるかが大きな課題ですね。

―地方では検査のハードルが高いため、発症するまで感染がわからない人が多いというわけですね。日本国内ではHIV感染経路の約8割が男性同性間でのセックスですが、ゲイやバイセクシャルの男性(トランスジェンダーも含む)を対象に恋愛、性行動や健康についてアンケートした2016年の「LASH調査」によると、回答した6921人のうち、HIV抗体検査を受けたことのない人が約4割いました。

また、2012年に名古屋市立大学が全国で実施した調査では、一般の日本人男性でこれまでにHIV検査を受けたことがない人は約9割だったといいます。

生島 LASH調査では、検査を受けない3大理由は「機会がなかった」「(感染の)可能性がないから必要がない」「結果を知るのが怖い」でした。このネット社会の現代において「検査の機会がない」というのは、気になるけど先に進めないでいるという人ですね。特に40代~50代だと未だ恐怖感もあるでしょう。


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