最近は駅そばにハマっていますが、うどんも大好きです!

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は「駅そば」にハマっているという彼女が、お気に入りの店を教えてくれた。

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この季節、駅の構内を歩いていると、どこからともなく漂ってくるおいしそうな香り…。その香りの正体は、駅そばのおつゆ。寒い日にあったかそうなおつゆの香りをかぐと、心は躍り、おなかが鳴ってしまいますね。

ひと昔前と違い、駅の中の飲食店も、とてもキレイでこざっぱりしたお店が増えました。なかには、「まさかインスタ映えを気にしてるの?」と思うくらい、見た目にこだわったメニューを出す駅そば屋さんも(笑)。

まあ、インスタ映えは狙っていないと思いますが、見た目も味もグッドなのが、JR高田馬場駅・いろり庵きらくの「春菊天そば」。こちらのお店の春菊天は、春菊を1本丸々揚げた“姿揚げ”なんです。こうした駅そばで出てくる野菜系の天ぷらって、具が小さすぎてかっすかすになってることも多いんですが(笑)、いろり庵の春菊天は、丼からはみ出さんとするほどの見た目のインパクトもさることながら、しっかりと春菊の風味が生きていて、とてもおいしいです。

冷やしのメニューになりますが、東急蒲田駅・しぶそばの「ぴり辛ねぎそば」も、やみつきになる大人の味ですね。豆板醤とネギ、刻みチャーシューがのったおそばは、中華っぽい感覚で食べられます。また、夏季限定のメニューですが、京急川崎駅・えきめんやにある「冷やし豆腐一丁そば」もオススメ。こちらは、豆腐が一丁丸々おそばの上にのっていて、まさにインスタ映えしそうです(笑)。

首都圏以外にも、JR下関駅・味一の「ふく(フグ)天そば」や、金沢駅・加賀白山そばで食べられる「白えびかき揚げそば」のように、地域性のある食材を使った駅そばも多く、飽きさせません。

なかでも、私の中でブームなのが、関西の駅そば。近鉄沿線の駅そば屋さんでよく見かける「かすそば」(かすうどんのそばバージョン)もおいしいし、大阪らしくネギを大量にトッピングできるお店もあって、私好みなんです。

関西の駅そばのレベルがぐっと上がった気がします

これは個人的な印象なんですが、最近、関西の駅そばのレベルがぐっと上がった気がします。2009年に阪神なんば線が全通し、阪神×近鉄の乗り入れが開始されるなど、乗り入れが増えたことが一因なんじゃないか…と私はにらんでいます。

というのも、駅そばといえば乗り換えのタイミングで急いでかっ込むものですが、乗り入れによる直通運転が始まったことによって、乗り換えのお客さんを見込めなくなったから。そこで、各店が味にこだわるようになったのではないか、と私は推測しています。

かくいう私は、駅そばにハマってしまい、駅そばを食べるためにいろんな駅に降りたりしています(笑)。そんな私の来年の目標は「駅そばの旅をすること」。東京をスタートし、東海道本線に揺られながら各地で駅そばを食べ、関西に至り、さらに中国、九州まで足を延ばしたいですね。そして、どこで関東風のかつおだしから関西風の昆布だしに変わるのかを自分の舌で確かめつつ、具の地域色を味わいたいと思っています。

問題は、私が極度の猫舌だということなんですが…(笑)。今シーズン中に克服して、たくさん駅そばを食べたいです!

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエア中のJ-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』でナビゲーターを務めている。うどんでは鳥栖駅「中央軒」のかしわうどん、名古屋駅「住よし」のきしめんなどがオススメ