一見、普通に見えるが全て柿の種を使ったおせちと、餅の代わりに柿の種を入れたお雑煮。メーカーや味によっては微妙なものもあるが、出汁に使うなど、これまでの研究成果を発揮した品々だ!

お正月らしさを引き立てるおせち。地域や家庭によって様々なレシピがあるが、今回なんと“柿の種おせち”を作ったのは、元NHKアナウンサーで“柿ピー研究家”として話題の中倉隆道さんだ。

昨年末、週プレNEWSでは2回にわたってインタビューを掲載。前編では柿ピーにハマったきっかけからNHKを辞めた経緯など、後編ではそのマニアックぶりやこれからの夢など、3時間にも渡ってその偏愛ぶりを語ってもらった。

さらに、毎日6袋以上の柿ピーを食べるという中倉さんはパスタに入れたり、炊き込みご飯にしたり、大福の餡にまで柿の種を使うなど、日々、“柿ピーレシピ”も開発しているという。

そこで今回、新年にふさわしく、お正月の“柿ピーおせち”を紹介! NHKアナウンサーとして各地に赴任した中倉さんが、メジャーなおせちから地方特有のおせちまで交えて考案したレシピだ。

「料理に柿ピー?」と思うが、これがまた意外と違和感なく、そして美味しく食べられるものばかり! さらに柿の種の食感が変わったりと、意外な発見の連続で食べる楽しみも味わえるのだ。余ったおせちの材料があれば、是非試してはいかが?(※材料は全て2人分、メーカー名のない柿の種はお好みで)

■柿の種赤飯【材料】アイデアパッケージ・紅ショウガ天柿乃種揚(1/2袋)、亀田製菓・亀田の柿の種(小袋1つ)、米(2合)、顆粒だし(大さじ1)

【作り方】【1】炊飯器に米と水、「紅ショウガ天柿乃種揚」と「亀田の柿の種」を入れる。※柿の種の量を多めにしたい場合は水分を少し多めに【2】炊き上がったらフニャフニャになった柿の種がなじむように軽く混ぜる。【3】器に盛り付けて絹サヤを乗せたら完成。

【ポイント】モチモチ感を楽しみたい場合は亀田の柿の種を多めに入れるといい。

■柿ピーイモきんとん(南九州郷土料理)【材料】柿の種ピーナッツ入り(小袋1つ)、さつまいも(1/2個)、生クリーム(大さじ2)、蜂蜜(小さじ1)、バター(1かけら)

【作り方】【1】皮をむいたさつまいもを水にさっと濡らし耐熱皿で5分、電子レンジでチン。【2】【1】をヘラで潰し塊がなくなったら生クリームと蜂蜜、バターを入れて滑らかにする。【3】柿の種を棒でたたいてクラッシュして【2】と軽く合わせる。【4】ラップでくるんで巾着のように絞れば完成。

■叩き柿ピーゴボウ【材料】柿の種ピーナッツ入り(小袋1つ)、ごぼう(1/3本)、白ごま(適量)、みりん(大さじ1)、酒(小さじ1)、ごま油(大さじ1)

【作り方】【1】ごぼうを棒で叩き食べやすい大きさに切る。柿の種とピーナッツも叩いてクラッシュしておく。【2】フライパンにごま油をひき、ごぼうを炒める。ある程度火が通ったら、みりんと酒を入れて炒める。【3】ごぼうの水分がだいぶ無くなったらクラッシュ柿ピーを入れて全体に絡むように炒める。【4】器に盛り付けて最後に白ごまを振ったら完成。

【ポイント】柿の種で塩分調整をして味のパンチが欲しければ少し塩を。白髪ねぎや刻みネギを乗せてもOK。

■梅柿種なます【材料】亀田製菓・亀田の柿の種梅しそ味(小袋1つ)、大根(1/3本)、にんじん(1本)、酢(大さじ4)、砂糖(小さじ1)、塩(小さじ1)

【作り方】【1】大根、にんじんを千切りして塩でもみしばらく置く。水分が出てきたらしっかり絞って水を捨てる。【2】酢、砂糖を入れて全体にしみこむよう馴染ませたら、梅しそ味の柿の種を入れて混ぜる。【3】柿の種の色が白くなって梅の風味がなますへ移った具合が丁度。味付けで使った柿の種は捨てる。【4】食べる時に、袋から出した新しい柿の種を乗せたら出来上がり。

【ポイント】食べる時は味付けに使った柿の種は除く。あくまで柿の種は「出汁」として利用。

緑に染まったれんこん!?

■わさび柿の種酢レンコン

【材料】ハッピーカンパニー・激辛わさびの種(40粒程)、れんこん(1個)、水(120cc)、酢(大さじ4)、砂糖(大さじ2)、塩(1つまみ)

【作り方】【1】れんこんの皮をむき食べやすい薄さにスライスする。【2】沸騰した湯に塩を入れ、れんこんをひと煮立ちさせる。【3】酢と砂糖をさらに入れて混ぜたら、激辛わさびの種を入れて馴染ませる。【4】【2】を【3】へ入れて30分ほどおいて調味料として使ったわさびの種は取り除く。【5】食べる直前に新しく取り出したわさびの種を乗せたら完成。

【ポイント】なますと同じように食べるときは味付けに使った柿の種は除く。あくまで「出汁」として利用。

■筑前柿の種煮(福岡郷土料理)【材料】竹内製菓・ひび辛大柿(30粒程)、にんじん(1/2本)、じゃがいも(2個)、椎茸(4個)、ごぼう(20cm)、こんにゃく(1/2個)、鶏肉(100g)、きぬさや(2枚)、鷹の爪(少々)、水(300cc)、砂糖(大さじ2)、塩(少々)、麺つゆ(大さじ5)

【作り方】【1】具材を食べやすい大きさに切る。【2】根菜は軽く水にさらして耐熱皿へ載せラップをする。電子レンジで3分チン。【3】鍋に水と麺つゆ、鷹の爪、調味料を入れ、鶏肉を入れる。【4】軽く鶏肉に火が通り出汁が出てきたら【2】とひび辛大柿を入れ、落としぶたをして15分煮込む。【5】適宜、灰汁を取り除いて、柿の種がトロッとしたら完成。

【ポイント】柿の種の味がしっかりついているので、麺つゆや塩は柿の種の味をみて調整を。

■鶏と柿の種の八幡巻き【材料】越後製菓・柿の種大柿(7粒程)、にんじん(1/4本)、いんげん(2本)、ごぼう(1/4本)、鶏もも肉(1枚)、柿の種(小袋1つ)、塩(少々)、卵(1個)、油(大さじ1)

【作り方】【1】いんげん、ごぼう、にんじんを細長く食べやすい大きさに切り、耐熱皿へ載せラップして電子レンジで3分チン。【2】鶏もも肉を開いて伸ばし、1と柿の種大柿を乗せて巻いていき、料理用糸でグルッと巻いて固定。【3】【2】を耐熱皿へ載せ、ラップをしてレンジで5分チン。 ※火の通り具合で時間調整【4】煮汁は捨てずに、鍋へ移し塩コショウをして片栗粉で軽くとろみをつけてソースへ利用。【5】柿の種を小袋ごと棒で叩いてクラッシュしておく。【6】粗熱が覚めたら糸をほどき、溶き卵を周りにつけて、クラッシュ柿の種をさらにつける。【7】フライパンに油をひき、【6】を乗せてカリカリに焼きあげたら完成。食べる時に【4】のソースをかける。

【ポイント】加熱調理はレンチンで時短をすれば手間のかかる料理も簡単にできるので電子レンジを活用する。

■柿ピー唐揚【材料】亀田製菓・亀田の柿の種ピーナッツ入り(小袋1つ)、鶏もも肉(1/2枚)、チューブ生姜(小さじ1)、卵(1個)、油(大さじ2)、醤油(大さじ1)、みりん(小さじ1)、はちみつ(小さじ1)

【作り方】【1】密閉袋に、チューブ生姜、醤油、みりん、はちみつを入れ揉みながら混ぜる。【2】鶏もも肉を一口大に切り、【1】へ入れて揉み込み味をなじませる。【3】溶き卵とクラッシュ柿ピーを用意し、【2】を溶き卵、クラッシュ柿ピーの順につけ、フライパンで揚げ焼きにしたら完成。

【ポイント】柿の種は焦げやすいので火は中火からやや弱火でじっくりやるとちょうどよく仕上がる。

■柿ピー椎茸しんじょ【材料】亀田製菓・亀田の柿の種梅しそ味(小袋1つ)、はんぺん(1/2枚)、にんじん(1/4本)、れんこん(1/4個)、片栗粉(小さじ1)

【作り方】【1】にんじん、れんこんを刻んで水にさっと濡らして耐熱皿へ載せてラップして電子レンジで3分チン!【2】はんぺんと【1】を混ぜ合わせ、梅しそ柿の種を入れて全体がバランスよくなじむよう混ぜる。【3】しいたけの傘の内側に片栗粉を塗り【2】を乗せる。【4】【3】を電子レンジで3分チンしたら完成。

【ポイント】柿の種のパリパリとれんこんのシャキシャキの食感を生かすため、レンチンした後の野菜はしっかり水分を切っておく。

(取材・文/伊藤このみ)