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久米宏はなぜ政治家に立候補しない?「都知事選なんて、毎回のごとく『出てほしい』と言われます」

[2018年01月07日]

開高健ノンフィクション賞を受賞した『黙殺』の著者・畠山理仁氏(左)と作品を読んで「目からウロコが落ちた」という久米 宏氏(右)

第15回 開高健ノンフィクション賞を受賞した『黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い』(集英社)の著者・畠山理仁氏は、20年にわたって選挙の現場に足を運ぶ中で、熱い志を持ちながらもマスメディアの選挙報道ではほとんど報じられない無名の候補者たちの戦いを取材してきた。

魔力にも似た選挙の熱気の中で、たったひとりで奮闘を続ける“無頼系独立候補”たちの強烈なエネルギー、そして彼らが黙殺され続ける選挙システムの異様さを鮮やかに浮かび上がらせ、「開高健賞の新境地をひらく作品」(姜尚中氏)、「ただただ人であることの愛おしさと愚かさを描いた人間讃歌」(藤沢周氏)、「畠山さんの差し出した時代を映す『鏡』に、思わず身が引き締まる」(茂木健一郎氏)等、選考委員各氏も絶賛。

そこで、この作品を読んで「目からウロコが落ちた」という久米 宏さんに、第1回に続き、現在の日本の選挙の問題点や民主主義の行方などを著者の畠山氏と存分に語り合っていただいた!

■久米 宏はなぜ立候補しないのか

畠山 久米さんは、いわゆるタレント候補と呼ばれる人たちがそれまでの主張も何も関係なく、選挙で担がれて当選していくということについて、どうお考えですか。

久米 要するに、テレビに出ていたから、ということだけです。無頼系の人たちがなぜ主だった候補にならないかというと、有名じゃないからということだけなんです。タレント候補の人たちは地道に政治活動をしてきたわけでもないし、無頼系候補の真裏というか、まさに逆インディーズでしょう。

畠山 逆インディーズ(笑)。

久米 テレビは視聴者のためにあるものなのに、自分の名前を売って政治家になることが目的でテレビに出るという人は、はっきり言って、許せないですね。僕の知り合いでは、亡くなった永六輔さんや大橋巨泉さんも立候補しましたけど、彼らは自分の考えを国政に生かしたいという気持ちを持っていた。そうではなくて、ただテレビに出ていたから票を取るということに対しては、僕はものすごく抵抗があります。

畠山 それこそ、久米さんにも立候補の依頼が何十回とあったと思いますが。

久米 そうですね。都知事選なんて、毎回のごとく「出てほしい」と言われます。

畠山 毎回!

久米 全部、握りつぶしていますけど(笑)。自民党からも「出ないか」と言われたことがありますし、打診されたことがないのは共産党と公明党だけです。僕、代々木にある昔の共産党本部を壊して建て直す前に、不破哲三さんに中を全部案内してもらったこともあるんですけど、「こいつはダメだ」と思われたんじゃないですか(笑)。

畠山 もしかしたら、これからくるかもしれない(笑)。それにしても、共産党以外の全部の党から打診があったというのは、党派の違いはほとんどないということになりますね。

久米 今と同じですよ(笑)。つまり向こうが「この人が出たら当選するだろう」と思えば、考え方なんてどうでもいいんじゃないですか。


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