■短期解約を阻む懲罰的な解除料
確かに。でもこれ実質価格だから、2年間使ったときの話ですよね。投げ売りのiPhone7をとりあえずタダで手に入れて、気に入らなかったら短期解約して、来年以降に出る次期iPhone(8s?)にまたMNPするってのはダメなのか?
「実はそこに、大きなワナが隠されているんです」(後藤氏)
そ、それはどんな!?
「販売競争が激化するなかで、型落ちのケータイやスマホの短期解約を繰り返し、手元に残った本体を転売して荒稼ぎする『ケータイ成金』が台頭しました。キャリア各社はその対策として、短期解約に対して“懲罰的な解除料”を導入したのです。今回の投げ売りでも一括0円の条件に、ドコモの『端末購入サポート』、auの『MNPau購入サポート』、ソフトバンクの『一括購入割引』が適用されている場合、12ヵ月もしくは24ヵ月以内の解約やMNPには高額な解除料がかかります。
例えばソフトバンクの一括購入割引では、利用期間1ヵ月での解除料が7万2450円となり、アップルストアのSIMフリー版iPhone7(32GB)の価格に匹敵します。また12ヵ月使ってからでも解除料は3万4650円かかります。そこにさらに2年縛りの解除料も上乗せされるわけです。つまり一括0円で購入しても、長期間使わなければ損をしてしまうことになります」(後藤氏)
そんな落とし穴が隠されていたとは…。では、どんな人ならメリットがあるのか?
「まず、手持ちの古いiPhone6sを下取りに出さず、SIMロックを解除して万一のときのサブ機や、海外で現地のSIMを利用したいと考えている人です。手持ちのiPhoneのほかにもう1台を手に入れるには、たとえ中古のiPhoneでも、それなりのお金がかかります。しかし一括0円でiPhone7を買えれば、MNP転出手数料や契約事務手数料だけで済みますからぐんとオトクです」(後藤氏)
なるほど。ほかには?
「例えば併売店のキャッシュバック付き一括0円販売を、条件込みできちんと理解できる人です。キャッシュバックを受けるには複数の有料コンテンツの契約が必要だったりするケースがほとんどです。最低利用期間などの条件をクリアして解約すれば、1万、2万円のキャッシュバックを丸ごと受け取ることができるはずです。ただ、併売店の条件は複雑で内容もころころ変わります。よくわからない人は手を出さないほうがいいでしょう」(後藤氏)
この年始にiPhoneの買い替えを考えている人、一括0円が自分にとって本当にオトクかどうか、よ~く考えよう!