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30年前のミランやユベントスを思い出して考える「サッカーの視聴環境」の進化

[2018年01月15日]

30年前と比べて「多くの海外サッカー情報を得られるようになった」と語る宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第29回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、世界のトップレベルの試合が繰り広げられる欧州や南米サッカーの視聴環境について。30年前のトヨタカップから21世紀の現在まで、どれだけ変わったのかを考察する。

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1月も欧州サッカーシーンでは激しい戦いが続いている。中でも注目しているクラブのひとつが、やはりスペインのレアル・マドリードだ。リーグ戦ではやや苦戦してはいるけれど、昨年末のクラブワールドカップで優勝して、なんだかんだ言っても、やっぱりレアルは世界屈指のクラブだった。ブラジルのグレミオと対戦した決勝戦はスコアだけを見れば1−0だったけれど、内容には雲泥の差があった。

シュート数はレアルが20本で、グレミオが1本。流れはずっとレアルにあったし、ブラジルを代表するグレミオがあの程度しかできないのかっていうのは少し残念だったな。去年の鹿島アントラーズのほうがレアルを苦しめたと思うからね。

レアルはクリスティアーノ・ロナウドがいることで攻撃にばかり目が行きがちだけど、実は守備が素晴らしい。グレミオが得点を取ろうと出てきた時に何もさせない。ボールを奪いにいってもモドリッチ、イスコというふたりのプレーメーカーがいて、カゼミーロとクロース、ヴァラン、セルヒオ・ラモスという選手たちがボールを簡単に繋いだり、大きくサイドチェンジして奪われなかった。

レアルのサッカーは「究極のサッカー」ともいえる。各ポジションの世界No.1の選手たちを11人集めたスタイル。マルセロが「トップオブトップの選手しか、このクラブではプレーできない」と言っていたけれど、その通りだね。能力の高い個々を武器にグラウンドを広く使って、ひとりひとりがそれぞれに与えられた役割をまっとうする。いわば王道サッカーだよね。

一方、比較されるバルセロナはメッシというスペシャルな存在はいるけれど、他のポジションももちろんスゴイのは間違いないけれど、レアルほど「個の能力で勝負する」選手たちではない。距離感や角度を変え、3人目の動きを入れながら「組織力」で相手を崩すーーこれはレアルに勝つために、長い歴史をかけて築いてきたものでもある。

それにしても、ヨーロッパのクラブに世界中のタレントが集まる時代になったことが大きいとはいえ、1981年から2004年まで日本で開催されたトヨタカップの時代、80年代にはもっと白熱した手に汗握る試合が見られたのに…と思ってしまう。

当時はそれこそ国内で世界トップレベルのサッカーが観られる唯一の大会だったから、毎年たくさんの人が楽しみにしていたし、印象的な深い試合が多かったから今でも鮮明に思い出せるね。

30年ほど前、1987年でもっとも印象に残っているのはなんといっても「マジェール!!!」。ポルト(ポルトガル)のストライカー、マジェールのシュートがラインをコロッと割ったシーンのTV中継での絶叫だ。ポルトとペニャロール(ウルグアイ)は大雪の中で対戦したんだけど、グラウンドが一面、雪で真っ白でボールと見分けつかないからカラーボールを使ってね。

あまりに気温が低いから、蹴った拍子にボールがパンクするハプニングもあった。当時、私はこの試合をスタジアムで観戦していたけれど、あまりに寒くて何度かスタンド裏に避難したことを覚えているよ。


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