デタラメな電話番号を伝えて、かけてみるとまったく別人という悪質なケースもある。(イラスト/福田嗣朗)

新年会シーズン。大勢で酒を飲む夜が続いて浮かれムードの一方、受け入れる飲食店関係者は不安に怯(おび)える日々を過ごしている!

その大きな要因は最近ニュースになっている“予約キャンセル”。昨年末から数十名、多いときは100名という大規模な予約キャンセル被害がSNSで次々と明らかになり、問題となっているのだ。

そしてどうやら、キャンセル以外でも予約にまつわる様々なトラブルが発生していることも判明。飲食店関係者が怒り、そして悲しみながら話してくれた“予約クレーマー”たちの実態は!?

■無断キャンセルの深刻な被害

まずは予約キャンセルが飲食店にとってどれだけ深刻か、あらためて話を聞いた。

「人通りの少ない路地裏で小さなスペインバルを経営しています。普段はそんなに大口の予約を受けないのですが、年末年始は宴会コースで団体予約を受けることもあり、その際は食材を多く仕入れ、前日から料理を準備して、当日はスタッフの数も増やし万全の態勢で臨みます。

なのに、25人の貸切予約を無断キャンセルなんてことが。これは1日分の売り上げが一気に飛ぶということ。繰り返されると簡単に店が潰れてしまいます」(スペインバル・34歳)

こういったトラブルの場合泣き寝入りとなってしまうケースがほとんどだとか。

「ドタキャン客はこちらからの電話なんて基本的に出ませんからね。それにこんなひどいケースもあります。某有名予約サイトでは店の電話番号とは別に予約専用の電話番号が設置されていて、お客さまがそちらにかけた場合、店側には相手の電話番号が表示されない仕様になっているんです。

なので、口頭で伝えられた番号を信じるしかない。以前、デタラメな携帯番号を言うお客さまがいて、かけ直すと相手は別人…なんてこともありました」(前出・スペインバル)

“逃げ得”な状況。現在、悪質な予約キャンセルに関しては法整備が検討されているとのことだが…。

◆『週刊プレイボーイ』5号(1月15日発売)「飲食業界が泣いている“予約クレーマー”のヤバすぎる実態!」では、他にもキャンセルのズルい言い訳、まだまだいる予約クレーマーを紹介。そちらもお読みください!