これがペンタゴン発のUFO動画。画面に表示される数値には、とんでもない飛行スペックが隠されている!

昨年12月。米国防総省が公開したという、米サンディエゴ上空で撮影されたUFO動画を、CNN、BBC、ニューヨーク・タイムズ紙などの大手メディアが一斉に報じた。

このUFO動画、素人にはただ白い物体が横方向へスライドしているだけに見えるが、画面に表示される数値には、UFOのとんでもない飛行スペックが隠されているという。その数値をエキスパートに解読してもらおう。

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今回、動画を検証していただくのはF-4EJファントムをはじめとする戦闘機で総飛行時間4000時間弱を誇る、航空自衛隊の杉山政樹元空将補。

―一部報道では、アメリカ軍機による偵察用ガンカメラの映像ともあるが?

杉山 ガンカメラではなく、IRセンサーでとらえた赤外線映像になります。

―これを撮影した航空機は?

杉山 アメリカ海軍機のF/A18、もしくはF14トムキャットだと推測されます。

撮影した海軍機の左側52°に、この未確認飛行物体がいます。マッハ0・58(時速約700キロ)で、30°左バンク旋回中で、この物体が、海軍機の右側5°まで行く動画となります。

―そのような情報がわかる理由とは?

杉山 動画の上下左右に表示される数値。ここから、この物体がどのような飛行をしているのか推定できます。

―この物体が、過去、アメリカで発生したUFO案件で誤認されることの多かった気象観測用のバルーン(風船)の可能性はありますか?

杉山 この上空は、西風が毎秒60mで吹いています。仮にこの物体がバルーンならば、マッハ0・58で飛行する海軍機から見たときには、一瞬で視界から消えます。

―なるほど。30秒以上も画面に映っているのでバルーンの可能性はないと。速度的に見てプロペラ機の可能性も低い。では、ジェット機ならどうでしょう。旧式でもこの速度なら対応できるはず。

杉山 ジェットエンジンならば、IRセンサーの映像にエンジン排気口の熱源が白い点で映るはずです。しかし、それがありません。ですから、ジェットエンジンを使用しての飛行ではないでしょう。

―確かに、一般的なジェット機を映したIRセンサーの映像だと、エンジンからの熱源である白いラインがはっきりと確認できます。

(取材・文/直井裕太 取材協力/小峯隆生)