『オー・マイ・ジャンプ!』主演の伊藤淳史さんと、ゆでたまご・嶋田隆司先生

『週刊少年ジャンプ』50周年、そして『ドラマ24』の第50弾特別企画としてスタートし、早くも反響を呼んでいるドラマ『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~』(毎週金曜、深夜0時12分~)。

前回の対談前編に引き続き、主演を務める俳優の伊藤淳史さんと『キン肉マン』の原作者であるゆでたまご・嶋田隆司先生との対談は、意外な秘話が明かされる!?

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伊藤 ドラマでは触れてませんが、僕が気になったのが嶋田先生と中井先生の出会いです。おふたりは小学生からの友人なのですよね?

嶋田 はい。小学校4年の時に相棒がうちの学校に転校してきて、住んでいるのも同じ団地だったんです。そこから50年近く一緒にいます(笑)。

伊藤 そんなことあるんですね。

嶋田 あるんですよ(笑)。

『オー・マイ・ジャンプ』台本に書かれた伊藤さんと嶋田先生のサイン

伊藤 おふたりはビジネスパートナーのような関係なのですか?

嶋田 ほとんど親友関係ですね(笑)。ビジネスパートナーだったら、ここまで続いてないですよ。

伊藤 『キン肉マン』を描くきっかけは?

嶋田 元々、僕が描いて学校でみんなに見せてたんです。それを隣のクラスだった中井君も見て、しばらくしたら彼も『キン肉マン』を描き始めたんです。

伊藤 出会ってすぐにコンビを結成していたのですね!

嶋田 あ、違います。相棒が勝手に『キン肉マン』を描きだしたんです。僕、「おまえ、盗作やないか!」って怒鳴り込んだぐらいですから(笑)。でも、それがきっかけでマンガや映画、そしてプロレスの話をするようになって、ずっと親友関係が続いてるワケです。

嶋田先生は、小学校時代から学年の人気者キャラだったという

伊藤 ある意味、運命の人ですね。変な質問ですが、元々、筋肉にこだわりがあったのですか?

嶋田 ムキムキの筋肉ってビジュアル的に面白いじゃないですか。ボディービルなんか、カッコイイと思いつつも笑える部分がある。ギャグとの相性がいいんですよ。それでキン肉マンです! ところで、伊藤さんは俳優としてのデビューが早いですよね。僕、チビノリダー大好きでしたよっ!

伊藤 それ、実は全く記憶にないんですよ(笑)。デビューのきっかけは、おばあちゃんでしたね。3歳の時にTVが好きでいつも観てて、「あっちゃんもテレビ出たいの?」と聞かれたら、「うん!」と答えたそうで……。そのまま劇団入りです。ですから、おばあちゃんが運命の人ですね。

嶋田 3歳児がTV出たいって言うかなぁ~?

伊藤 試しに、僕の2歳の娘がTV観てた時に「TV出たいの?」と聞いたら、「うん!」って即答してました(笑)。

『オー・マイ・ジャンプ』の今後の展開は!?

嶋田 TVに出る大変さはまだわからないんでしょうからね。ちなみに、若い時から俳優をしていると、“お仕事”という感覚が周囲と比べて薄くなることは?

伊藤 すっごいあります。会社経験がなく、俳優が当たり前のことすぎて…。

嶋田 僕も「マンガは趣味の延長かな?」って感じの時がある。確かに作品づくりは苦しい時もあるけど、こんな楽しいことはないんですよ。

司会はほとんどいらず、おふたりだけでテンポの良い会話が続いた

伊藤 普通の会社員になろうと思ったことはありますか?

嶋田 ありますよ。スランプの時に新聞の求人欄眺めてたこともありますよ(笑)。僕、意外とちゃんと会社でもやっていけると思うんですけどね。ただ、地元の友達と飲むと「おまえは絶対無理やー!」と、一喝されますよ。

伊藤 全く同じこと言われます(笑)。そして、一般の会社で働く友人たちの話を聞くと「やっぱ、こいつらすごいな。僕には無理」となりますね。ところで、クリエーターとしてスランプの脱出法とかはありますか?

嶋田 毎回、ホームランを狙わないことですかね。相棒と打ち合わせをしてて「今回は確実なヒット狙いやな!」という時がありますね。ただ、ファンからは「ゆで、置きにいった!」とバレてます(笑)。

伊藤 バレたらダメじゃないですか(笑)。

嶋田 でも、ヒットの後には勢いをつけてホームランを打つ。これでファンから「今週のゆで、神!」とコメントされたら、してやったりじゃないですか!

若いころから、クリエイティブな仕事をしているおふたりならではのトークが続く

伊藤 今回、少年ジャンプをテーマにしたドラマに出演させていただいてますが、嶋田先生の考えるジャンプのスゴさとは?

嶋田 僕ら、高校の時に『キン肉マン』で赤塚賞を獲って、そのまま卒業してプロデビューしました。実は当時、ふたりとも就職が決まっていたんですよ。でも、当時の編集長が「彼らを漫画家にさせてください!」と就職先にわざわざ頭を下げにきたんです。

伊藤 それ自体がドラマ化できそうなエピソードですね。

嶋田 そうなんですよ。ただ、デビューしたら「漫画家は絶対に休んだらダメ。休むなら辞めろ!!」と言われましたし、厳しかったです。でも、そんな環境があったからこそ、多くの名作が生まれる。作品だけでなく、製作者側たちのハートの熱さも含めて少年ジャンプなんです。

伊藤 『オー・マイ・ジャンプ!』はマンガ作品をピックアップしつつ、人間ドラマも魅せる作品になっています。あと、原作のファンがニヤリとできるギャグ要素もあります。

嶋田 友情・努力・勝利も特盛りでお願いしますっ!

伊藤 はい! 多くの人に楽しんでいただければと思います!!

伊藤淳史いとう・あつし) 1983年生まれ、千葉県出身。1986年に子役として、俳優デビュー。『とんねるずのみなさんのおかげです』の「仮面ノリダー」ではチビノリダーとして、お茶の間の人気者に。その後、主人公を演じたドラマ『電車男』は空前のブームを起こした。『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~』(テレビ東京系、毎週深夜0時12分~)では、主役の月山浩史役を務める

テレビ東京系 ドラマ24 第50弾特別企画『オー・マイ・ジャンプ!~少年ジャンプが地球を救う~(毎週金曜深夜0時12分~)創刊50周年を迎える『週刊少年ジャンプ』。数々の名作漫画を輩出してきたその裏には、漫画家・編集者が心血を注いだ壮絶なドラマがあった。『週刊少年ジャンプ』を愛する人間が集まる秘密クラブに迷い込んだ主人公・月山浩史(伊藤淳史)。ジャンプ作品誕生秘話に触れていく中で、現代社会生きる人々すべてに通じる苦悩を乗り越えていく--。公式サイト 公式Twitter(@oh_my_jump)もチェック!

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(左)『キン肉マン』第61巻[定価]本体400円+税(右)『キン肉マンジャンプ』[定価]本体550円+税

(取材・文/直井裕太 撮影/榊智朗)