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ハリルの戦術だけではダメ! W杯で期待したい“大人のサッカー”とは?

[2018年01月22日]

ハリルホジッチ監督の戦術について分析をした宮澤ミシェル氏

サッカー解説者・宮澤ミシェル氏の連載コラム『フットボールグルマン』第30回。

現役時代、Jリーグ創設期にジェフ市原(現在のジェフ千葉)でプレー、日本代表に招集されるなど、日本サッカーの発展をつぶさに見てきた生き証人がこれまで経験したこと、現地で取材してきたインパクト大のエピソードを踏まえ、独自視点でサッカーシーンを語る――。

今回のテーマは、今年いよいよW杯に臨む日本代表のハリルホジッチ監督について。その戦い方で本当に世界の強豪に通用するのか、そして、日本サッカーのさらなる発展のために、正しい方向に進んでいるのかを考える。

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皆さんはハリルジャパンのサッカーにどんな印象を持っていますか? 縦に速い? 確かに就任直後は「縦に速いサッカー」をしていて、とにかく縦へ縦へとボールを出すスタイルは、見ているこちらが疲れてしまうほどだった。

でも、最近の日本代表は以前ほど縦に速くはない。ただ、パスを繋ぐことが長所の選手を起用していないからザック時代のようにパスを中盤で回すことは少なく、攻守の切り替えを重視したシンプルなサッカーになっている。

就任当初にハリルホジッチ監督が求めたのは、素早く縦を突く攻撃だったけれど、選手がそれ一辺倒になってしまい、一番驚いたのは監督自身だったかもしれない。だから、12月のE―1選手権の時は、日本代表に招集した選手たちが伸び伸びとプレーできるように選手への伝え方や発信方法を変えたらしい。この変化に、ようやく日本人の特徴を理解してきたなと感じる。

日本人は教わったことを忠実に実行する傾向が強く、それがサッカーにおいては「規律正しさ」や「高い組織力」という長所に繋がっている。だけど、裏を返せば監督が発した言葉の真意を選手たちは考えずに額面通りに受け止めてしまうという短所にもなりうる。「縦に速く」と言われたらそればかりになってしまったんだろうね。

私も現役時代に同じような経験をしたことがあるからわかる。まだJリーグが創設される以前の1988年、フジタ工業はヘッドコーチにイギリス人のアラン・ジレットを招いた。前年JSL12チーム中9位だったフジタ工業は、彼の策がハマって前期を2位で折り返した。

その策とは、イングランドスタイルのいわゆる“キック&ラッシュ”。ジレットは当時のサッカーにおいて、クリアボールからどれほど得点が生まれているかを選手に説いて、相手が予期していない時にロングボールを敵ゴール前に蹴り込むことを実践するように求めた。

あの頃のフジタには前線に190cmを超すデカくて強いピーター・ハインズ、手塚聡(現中央大サッカー部監督)、小林幸一、グリフィスがいたから、前線目がけてドカーンと蹴り込む。スコットランドのトップリーグから来たハインズは、古河電工戦でDFの岡田武史さん(元日本代表監督)もろともゴールに押し込んで得点を決め、そのせいで岡田さんが救急車で運ばれたことがあったくらいだ。前期はジレットの作戦が面白いように決まった。

でも、やっぱりサッカーはそればかりになるとダメなんだよ。外国人選手たちは状況に応じて違うプレーもしていたけれど、日本人選手は指示を忠実に守りすぎて、すぐにドカーンと前線に蹴り込んじゃう。それを見てジレットは苦笑していたね。


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