男が癒しを求めて彷徨う夜の繁華街 ※写真はイメージです男が癒しを求めて彷徨う夜の繁華街 ※写真はイメージです

いくつになっても、男にとって女性の胸とは何ものにも変えがたい"究極の癒やし"だったりする。しかし、果たしてそれは男性に限定した話なのだろうか?

「女性はそもそも自分の胸があるじゃないか」と思われがちだが、実はそれは違う。自分の胸を触るのと他人の胸では、感触や包容力、温もりや癒やされ具合がもはや別次元の物というくらい違うというのだ。

「女性だって、おっぱいに癒やされたい」

そんな想いを胸に、おっぱいパブに突入した20代の"女性"もいる。都内でOLとして働く加奈子さん(仮名)は、純粋な好奇心から男友達と飲み会後におっパブに乗り込み、複数女のコの乳を堪能。そして1度ならず3度もおっパブを訪れた。

そこで「おっぱいはトランポリンとマシュマロの掛け合わせ。性別なんて関係ない。みんな最終的にはおっぱいに還りたいのだ」と断言する彼女だが、なぜ乳を求め、どのように癒されるのか――。ルポの裏側、そして女性が感じる乳の奥深さを聞いてみた。

まず最初に確認しておくが、加奈子さんの恋愛対象はあくまでも男性。同性愛者でもバイセクシャルでもない、あくまでもノンケ(異性愛者)女子だ。そうなると尚更、「なぜおっぱいに興味を持ったのか?」が気になるところ。

「きっかけは好奇心の爆発と異文化への憧れです! 学生時代って結構、女子同士、遊びで触りっこしたりするんですけど、どちらかというと私は地味めだったので、ボディタッチが多くてキャピキャピ盛り上がっている、ノリが良いちょっと派手なコ達が羨ましかったり。

あと『飲んだあとに風俗行こうぜ!』っていう男性独自の文化にすごく憧れがあって。だって女性には絶対ない文化じゃないですか。そのノリを自分も体験してみたいという思いと、学生時代からくずぶっていた好奇心がある日突然、爆発した感じです」

そして、いざおっぱいパブに乗り込み、男性客と同じシステムで数名の女子のおっぱいを堪能したという、加奈子さん。

「...もうね、おっぱいは無条件で誰しもが安らげる場所でした。『あ、ただいま...♡』って感じで。絶対的な安心感を与えてくれる場所というか、母性の塊。おっぱいの前では性別なんて関係なかった。これは同じものを持っているからといって、自分の体では感じることのできない世界です」

男性と同じ理想形を追い求めていた

「だって、私たちの大半は母乳を飲んだり、おっぱいで育ってきてるじゃないですか」と、女性にとっても"おっぱい=母性"であることを主張する彼女。さらに、この体験を話すと「意外と女性からの反響も多かった」という。

「「女性でも『どこのお店なの?』って結構、聞いてくるんですよ。実際に行くかどうかは別だと思うんですけど、これって、ある意味"女子もおっぱいに飢えている"ってことかなって。おっぱいや肌の温もりに触れる文化や機会が男性よりも圧倒的にないじゃないですか。だから女子こそ飢えている。潜在的でも『おっぱいパブに行ってみたい女子』の数は相当かもしれません」

そんな「おっぱいパブに行きたい女子」の代表として、率先して(?)経験した加奈子さんだが、おっぱいを堪能するうちに自分の中の"ある刷り込み"に気付いたとか。

「形や色とかでも、よく男性が思い描く"おっぱいの理想形"ってありますよね。女子からしたら、『理想が高すぎる(怒)』『そんな女子、ほぼいない』とツッコミたくなるような。...でも、実際に自分がいろいろなおっぱいを経験してみると、気が付いたら男性と同じような理想形を追い求めていたんですよ。

実際に、形が崩れていたり、一部分が黒ずんでいるコに当たると、ちょっとテンションも下がったり...(笑)。性別問わず理想形って、TVのCMとか雑誌で自然と刷り込まれているんだなあって初めて実感できました」

そして、おっぱいだけでなく、女性の外見も「"王道"の強さを再認識した」という。おっパブで男性が求める女性像を肌で感じたのだ。

「例えば、男性に不動の人気がある"黒髪ロングの清純派"女子だったり、上目使いや軽いボディタッチなどあざとい可愛さ演出だったり。でもそういう女子や仕草って同性ウケは悪かったりします。私もおっぱいパブに行く前は、そんな王道女子がちょっと苦手だったんですけど、『自分にできないから苦手意識を持っちゃうのかな』ということに気が付いたんです。否定したくても、やっぱり王道にはかなわない。王道は正義なんです」

女性も心のどこかで憧れつつも、「恥ずかしい」「自分にはできない」と思うからこそ、少々の僻(ひが)みも混じって批判的になってしまう――そんな感じだろうか。

「実際に自分が体験することで、おっぱいの素晴らしさはもとより、女性の体の美しさや男性が女性に求めている理想像を改めて実感できた」と加奈子さんは語るが、さらに"男性が風俗に行くこと"にも優しい目で見られるようになったという。

自分も行ってみたら世界が変わるかも

「『彼氏には行ってほしくない!』『風俗は浮気!』っていう女の人も多いですが、得体の知れないブラックホールのような場所だからこそ、余計にそう思っちゃうと思うんですよね。『知らない世界だからこそ不安』みたいな。私も昔はそうだったけど、自分も体験してみて、もちろん性的な欲求はあるんだろうけど、『ああ、決して性欲だけじゃなく、安らぎや温もり、癒やされたいっていう気持ちも混同しているんだな』って思えるようになりました」

ほとんどの女性は覗く機会のない世界だが、勇気を持って覗いてみたからこそ「性の奥深さと、通ってしまう男性に寛容になれた」ともいう。

「女性は日々の疲れやストレスを買い物したり、友達と食事に行ったりして解消するじゃないですか。それこそアミューズメントパークに行って楽しんだり。そんな気軽に味わえる"非日常"が男性にとって風俗なんじゃないかなって思うんです。そりゃ性欲も関係するだろうけど、仕事で疲れて、癒されたくて、そして非日常のウキウキ感も味わいたいからこそ、風俗(おっぱいパブ)に行っちゃう、みたいな。

男性にとって日常に活力を与えてくれる"大人なディ〇ニーランド"なんだと思うんです。それが許せない女子は1度、自分も行ってみたら世界が変わるかも知れませんよ」

まさに、おっぱいパブとは、街中で気軽に味わえる"夢の世界"なんだとか...。そんなおっパブ探訪を続ける加奈子さんだが、次の新しい扉として考えているのは"レズビアン風俗"だという。

「最初に言ったように、元々、女子が好きっていうワケではないんですが...。おっぱいの良さに目覚めたら、そういう甘美な世界にもちょっと興味が出てきちゃいまして(笑)。自分の知らない世界を、知らないままで批判したり抵抗を感じるのって少し違うかなと」

錆(さ)びついた常識やガチガチの先入観・枠組みなんてくそくらえ。あくなき探究心を胸に新しい扉を開きまくる彼女は今後、どんな"真理"を見つけ出すのだろうか。

(取材・文/赤山ひかる)