4年前のソチではメダルに届かなかった小平奈緒は平昌五輪で頂点を目指す

まもなく冬のスポーツの祭典が開幕ーー果たして、日の丸戦士たちは何個のメダルを獲得するのか!?

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1月10日、アメリカのデータ専門会社「グレースノート」が、平昌五輪全種目のメダル予測を発表。日本のメダル総数は歴代最多の15個、金メダルは1998年の長野五輪に次ぐ4個と、景気のいい数字が発表された。

しかし…当然、この数字に満足しません! 何しろこの予測は「開幕1ヵ月前の状態で競技を行なった場合」という前提で作られたもの。でも、日本選手は開幕直前まで進化を続けているはず…。

ということで、週刊プレイボーイが独自に予想をしたところ、グレースノートの倍になる数字に!?

その独自予想をさらに確固たるものとするため、92年のバルセロナ五輪以来の夏季・冬季合わせて14大会連続で五輪を現地取材している“アマチュアスポーツの鬼”こと、スポーツライターの折山淑美(としみ)氏に話を聞いた。

折山氏がまず「金メダル間違いなし!」と太鼓判を押すのが、スピードスケート女子の500m、1000mに出場する小平奈緒(こだいら・なお)だ。

「彼女は完璧。今季のW杯でも断トツに強いですからね。あえて不安要素を挙げるならば、スタート時のレーンくらいでしょうか。W杯ではランキング1位の選手がインレーンスタートになるので、今季の小平はアウトレーンでのスタートが少ない。だから、アウトレーンに入ったときにどうなるか。

でも、一般的にはアウトレーンのほうが記録は出やすいので、そこで完璧に滑れたらとんでもない記録が出ると思いますよ」

4年前のソチ五輪では、無念のメダルなしに終わった小平。今大会はダブル金メダルに期待だ。

同じスピードスケート女子では、1000m、15000mに出場する髙木美帆(たかぎ・みほ)にも注目したい。

「1500mでの実績は抜群。本人は『(メダルは)鉄板ではない』と警戒していますが、欧州勢の仕上がり具合によってメダルの色が決まるのでは」

小平、髙木だけでなく、女子チームパシュートも金メダル最有力。まだまだ歴史が浅く、なじみの薄い種目だが、ぜひ注目したい。

女子スケート陣と同じく、金メダルの本命選手!

女子スケート陣と同じく、今季好調なスキー・ノルディック複合の渡部暁斗(わたべ・あきと)も金メダルの本命だ。

「彼もほぼ確実でしょう。他国の有力選手のジャンプの調子が悪いので、そこで差をつけたい。特にラージヒルはジャンプで差がつきやすいので、勝負の分かれ目になると思います」(折山氏)

さらに、弱冠15歳で出場したソチ五輪で、日本人最年少メダリストとなった男子スノーボード・男子ハーフパイプの平野歩夢(ひらの・あゆむ)にも大きな期待がかかる。

「打倒、王者ショーン・ホワイト(米国)。実績では相手が上なので、平野は食らいついて前回の銀を超えたいところです」(折山氏)

同じくスノボでは、男女の“新星”も要チェック。

「今季は、男子ハーフパイプの戸塚優斗(とつか・ゆうと)が面白い。怖いもの知らずの16歳で、勢いづいたら頂点まで駆け上がるかもしれません。女子では鬼塚雅(おにつか・みやび)。スロープスタイルでW杯2位にもなっています。彼女はビッグエアにも出るので、スロープスタイルで結果を出して勢いをつけてほしいですね」(折山氏)

(写真/JMPA)

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