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出所者、非行少年の「過去も全て受け入れる」鳶(とび)の専門会社が再犯・離職しても見捨てない理由

[2018年02月11日]

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セリエコーポレーションの岡本昌宏社長

本人が健康でやる気さえあれば、少年院や刑務所からの出所者等を積極的に採用する鳶(とび)専門会社「セリエコーポレーション」(神奈川横須賀市)。

セリエでは2005年8月から18年1月までの13年間で出所者に加え、就職の選択肢が少ない養護施設や児童相談所一時保護所(非行児童や被虐待児を一時的に保護する施設)にいる少年ら70人を採用してきた(前編記事参照)。下は16歳から上は55歳まで、その6割を10代が占める。

だが一方で、素朴(そぼく)な疑問も覚える。社員数25人のうち、今、そうした経歴を持つ少年らは9人。つまり61人はいなくなったことになる。セリエの内部資料を見せてもらうと、入社後「3日目で失踪」「1週間後に退社」などの記録が並ぶ。就職辞退も含め、半数以上が1年以内で辞めている。

セリエで少年らの受け入れ準備等を担当している白岩こずえさんはその理由をこう推測する。

「すぐに辞めるのは、鳶の仕事が考えていた以上に大変だったからではないかと。遠い現場に朝8時に着くには早朝から重い道具を持って始発電車に乗ることもあり、仕事も頭で考えていた以上に大変だったのでしょう。慣れて余裕が出てきても、インターネット上で弊社より給料の高い求人を見つけ、おいしい話には裏があるということを考えないで転職してしまう人が多いかと思います」

そして岡本昌宏社長(43歳)は、若い社員が辞めるのには「3つの理由」があると語る。

「まず、情報を読み解く能力がない。少年院や刑務所から数年ぶりに外に出ると、それまでなかった情報が一気に入ってきます。ネットに溢(あふ)れる『短時間で高収入』とか『日給5万円』というあり得ない情報に心奪われる子もいる。

ふたつ目には、社会復帰前後の理想と現実とのギャップを受け入れられない。ギャップはあって当たり前。現実は厳しくて当たり前。そこから楽なほう、楽なほうへ流れてしまう。3つ目が、弊社は日給8千円スタートですが、これを『安い』と不満に思っていることですね」

岡本社長は入職したての少年を「守る」ため、いろいろと方策を講じている。

新入社員には、無用なネット情報から隔離するために岡本社長名義のガラケーを与える。そして、無遅刻無欠勤を1ヵ月続けたら日給を9千円にしてスマホも与える。2ヵ月続けたら9500円、3ヵ月続けたら1万円へと徐々に昇給するインセンティブも用意している。それでも、スマホを入手した途端、「日給5万円」のニセ広告に惹(ひ)かれ退職する少年もいる。彼らが今どんな人生を歩んでいるのかはわからない。

一度、悪い流れに入った少年たちをまっとうな道に戻すには並大抵ではないエネルギーが必要だ。岡本社長が疲れ切ったのは一度や二度ではない。

「日々、大なり小なり“地震”が起きています。昨年はとうとう身体が壊れかけました(笑)」


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