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「第4の携帯キャリア」へ参入する楽天は“3強”の牙城を崩せるのか?

[2018年02月15日]

携帯電話の市場シェア(2017年6月末時点)

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3社寡占が続く携帯キャリア事業に、楽天が風穴をあけそうだ。通信料金、端末、使い勝手など、どんな違いを打ち出せるのか!? 今後の展開を予想する!

■楽天グループの次の成長エンジンに

インターネット通販国内大手の楽天が、携帯電話事業への参入を表明した。総務省から認可が下りれば、2007年のイー・モバイル(現・ソフトバンク)以来、13年ぶりとなる「第4の携帯キャリア」が誕生することになり、来年中にもサービスが開始される予定だ。

だが同社はすでに、14年からグループ内でMVNO(=仮想移動体通信事業者、いわゆる格安スマホ)の「楽天モバイル」を展開している。事業は好調で、昨年11月には競合のフリーテルを買収し、格安スマホ業界で3位にのし上がったばかり。なぜここへきて、携帯キャリア事業に乗り出そうというのだろう。

携帯電話ライターの佐野正弘氏が言う。

「楽天は本業のネット通販事業において近年、王者アマゾンに大きく引き離され、下からはヤフーに突き上げられと、頭打ちになっています。FCバルセロナのスポンサーになったりして、懸命に存在感をアピールしていますが、絶対王者であるアマゾンの多種多様なサービスには、とうてい太刀打ちできません。そんななかにあって楽天モバイルは、順調に契約者数が伸びている数少ない好調部門。三木谷浩史会長はそこに目をつけたのでしょう。

とはいえ、MVNOはキャリアから回線を借りているので、儲けが出にくい。そこで自らがキャリアとなることで利幅の大きいビジネスに育て、楽天グループの次の成長エンジンにしようと考えたのだと思います」

携帯電話業界は今、かつての通信料金値下げ競争が鳴りを潜め、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3キャリアが同水準でにらみ合っている。そこに楽天が殴り込みをかけるとなると、新規会員獲得のために通信料金の価格破壊を仕掛けるなど、積極的な戦略の期待が高まる。3社寡占の膠着(こうちゃく)状態に風穴をあけてくれるのか!?

が、話はそう簡単ではないらしい。ITジャーナリストの石川温(つつむ)氏が語る。

「携帯電話事業の基礎である通信インフラを全国に整備するには、莫大(ばくだい)なコストがかかるのです。楽天はそのための費用として、19年から25年にかけて最大6千億円を調達するようですが、そんな額ではとうてい賄えない。すでに全国くまなく通信網を張り巡らせているドコモでさえ、維持・管理等のためだけに毎年5千億~6千億円を費やしているのです。

ゼロから全国にネットワークを構築していくとなると、ヘタをすれば数兆円規模の予算を投下しなければなりません。まずそれを工面できるのか? そして整備には当然、時間も必要。来年からサービスを開始するとなると、不完全なネットワークのまま見切り発車をするしかありません」

インフラが不完全なのに、どうやって全国をカバーするというのか?

「例えば、人口の多い都市部から整備し、手の回らない地方部は既存キャリアの回線を借りるローミングでカバーしながら、徐々に自社回線の地域を広げていくとか。これは、イー・モバイルも採っていた方法です。あるいはSIMを2枚挿せる端末を提供し、キャリアとしてのSIMと、MVNOである楽天モバイルのSIMを入れる裏技もあります。自社ネットワークがある地域ではキャリアのSIMで、そのほかの地域は楽天モバイルのSIMでと切り替えながら通信するわけです。こちらも、自前で全国を網羅するまでの暫定的な手法ですね。

ただ、どちらにしても、サービス開始当初の自前ネットワークは地域が限定され、やり方によっては自社回線と他社回線の切り替わり時に接続が切れる恐れがあるなど、3キャリアに比べて通信品質が劣るのは確実です」(佐野氏)


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