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「第4の携帯キャリア」へ参入する楽天は“3強”の牙城を崩せるのか?

[2018年02月15日]

■まず格安スマホ業界の料金競争が激化する

だったら「第4のキャリア」というより、楽天モバイルとさして変わらないような気もするのだが…。

「現実的なビジネスモデルを考えれば、『楽天モバイルの通信品質が強化されました』というところから始めざるをえないでしょう。現在の楽天モバイルは、都市部で正午あたりの通信速度が落ちる傾向がありますから、自社回線を持っていれば、そこは改善できる。さらにユーザーが楽天のネットワークにつながっているときは、データ消費をカウントしないようにし、お得感を出すとか。並行して通信インフラ網を徐々に広げていき、しかるべき時に正真正銘のキャリアとして仕切り直すのだと思います」(石川氏)

したがって端末ラインナップも、現行の楽天モバイルと代わり映えのしないものとなりそうだ。

「iPhoneの最新機種の取り扱いは難しいでしょう。アップルはiPhoneを大量に売りさばけるキャリアにしか供給しませんから、誕生間もないキャリアは相手にしません。まして楽天モバイルを母体にするのなら、中国ブランドのファーウェイあたりを中心に、あとは国内メーカーのSIMフリー機を若干そろえる程度でしょう。つまり中低価格帯の端末が主体で、その中に楽天関係のアプリを入れて提供するのではないでしょうか」(佐野氏)

結局、楽天がまったくの新事業としてキャリアを立ち上げるのではなく、当面はMVNOである楽天モバイルのサービスが拡充されるにすぎないもよう。だとするとキャリア間での料金値下げ競争の再燃など期待できない?

「既存キャリアは、自前の通信網も整っていない楽天を同格のライバルと見なしていませんから、値下げ圧力になるはずがない。それどころかインフラ整備に多額の資本を投入するのですから、本来なら逆に楽天モバイルのほうが通信料金を値上げしなければならないところです」(石川氏)

でもそんなことをしたら、既存会員が逃げてしまう。

「だから、据え置くしかない。楽天モバイルはしばらくの間、相当厳しい収支バランスに耐えねばなりません。結局、キャリア事業の認可を総務省から受けたところで、3キャリアに対抗できる強みといえば、楽天スーパーポイントの付与や使用ができることぐらい。だったら現在の楽天モバイルとなんら変わらないわけで、同じ6千億円もの資本を投下するのなら、今のMVNOのまま、楽天モバイルをより魅力的にするために使ったほうがよほど有効です。

今回のキャリア事業参入は、業界内でも疑問視する声しか聞こえてこないし、楽天内でさえ『理解できない』と首をかしげている社員が少なくありません。私はこの先、正式な電波取得申請の前に、三木谷会長が心変わりして撤退宣言しても驚かないし、もし彼がその決断を下せたら、むしろ評価しますね」(石川氏)

スタートする前からすでに八方ふさがりと目されている、楽天のキャリア事業。しかし既存キャリアの間になんの波風も立たず、通信料金がこのまま高止まりしているのもしゃくに障る。楽天に起死回生の逆転シナリオは、まったくないのだろうか。

「楽天にしても、いきなり3キャリアに対抗しようとは考えていないはずで、まずは格安スマホ業界トップ、ソフトバンク傘下のワイモバイルをターゲットに定め、サービス面で、例えば楽天ポイントの付与や使用を今以上に優遇するような対抗策を打ってくるでしょう。だから格安スマホ業界上位同士の競争は、これから間違いなく激化するはずです。

そうした戦略でワイモバイルを打ち負かすのが、第一目標。さらにその目標をクリアして、iPhoneを扱えるまでの規模の契約者を獲得し、全国に自社ネットワークが整備されれば、既存キャリアの脅威となるはずです。ただ、投下した資本の回収を考えれば時間との勝負。すべての施策が順調に進んで初めて、キャリアへの挑戦権を得られるという、極めて低い成功率であることは間違いありません」(佐野氏)

楽天のキャリア事業に、果たして楽天的な未来は待っているのか?


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